ここに書かれている情報は、@TRPGから行けるクトゥルフ2003BBSに書き込まれた(主にKEEPER2の)投稿を適当にまとめて集積しているものです。


技能の成否判定
クトゥルフは%制のゲームだ、1d100で判定する。
技能が80%ならサイコロの出目80以下で成功するといったようにな。
技能が0%でも1D100の結果が01なら成功になります。



技能の選び方
クトゥルフの経験の少ないプレイヤーは探索者の技能をなんとなくで選んでいると思います。
ですが、技能の使用頻度は決して平等ではありません。
実際には対数を取ったら直線に乗っちゃうくらいの感じです。
そこで、いくつかの特に役に立つ技能を推薦しておきます。
中には職業のボーナスではなかなか取れない技能もあるので、INTx10は大切に使いましょう。

<目星>
使用頻度No.1の技能です。隠された何かを見つけたり、ちょっとした何かに気づいたりするのに使います。
この技能ロールが登場しないシナリオは恐らく皆無かと思われます。
基本値でも25%と他の技能に比べ高めですが、どの探索者もできれば上げておいた方がいいでしょう。

<聞き耳>
視覚と同じくらい聴覚も大切です。
家の中に入り込んだ侵入者に気がついて目を覚ましたり、闇に紛れてこっそりと探索者を襲おうとしている気配に気がつきます。
また、重要な会話を盗み聞きしたりするのにも使います。
<目星>に比べると使用頻度は落ちますが、シナリオの展開に重要な情報源となることが多いので、
どの探索者もできれば上げておいた方がいいでしょう。

<図書館>
クトゥルフの探索に必要な3大技能の1つです。
後述する全ての学術的な技能ロールがこれ一つで補うことができます。
知らないことでも図書館で調べさえすればいいのですから。
閉じ込められ型のシナリオの場合は、蔵書のたくさんある立派な書斎でも出てこないと活用しづらいので
シナリオによっては使えないこともあります。

<精神分析>
1920年代では精神療法はかなりインチキ臭いものと思われていたためこの技能を持っている探索者には
それなりの面倒な背景を考えなければなりませんが、、現代でプレイする上においてはかなり重要な技能です。
この技能に成功することによって一時的狂気の状態に陥った者を正気に戻したり、
不定の狂気の状態にある者を数時間の間冷静な状態にしたりすることができます。
つまり発狂した探索者が出ても、誰かが<精神分析>に成功すればまた通常通りゲームに復帰できるのです。
キーパーがシナリオと次のシナリオとの間の行動を許可すれば1ヶ月に1回、1D3ポイントの他人のSANを回復させることもできます。
(「Pale God」でシナリオ中に回復させたのは間違いでした。)

<応急手当>/<医学>
探索者は生命力が2以下になると自動的に意識を失って動けなくなります。
また0以下になると1戦闘ラウンドが経過したあとに死亡します。
<応急手当>と<医学>は1回の攻撃で受けた傷に対し、1D3ポイントを1戦闘ラウンド内に回復させることができます。
従って、仮に耐久力が-2になったとしても即座に<応急手当>ロールに成功して1D3のロールで3を出せば探索者は蘇生します。
1つの傷に対してどちらか一方、1回のみ可能ですが探索者が何度も細かく傷つけられるような意地悪なシナリオを
生き長らえるために有効です。

<回避>/<ジャンプ>
探索者の耐久力を減らすのは敵意のある生き物だけとは限りません。
崩れ落ちてくる腐った天井や、飛び交う食器が探索者の耐久力を奪うシナリオもあります。
(漏れは以前プレイしたシナリオで、ミッションを達成したのに、最後に逃げる時に階段から落ちて死んだことがあるよ。)
これらの技能があることで肉体的なダメージを軽減するチャンスが増加します。
古いシナリオではどちらでもまったく同じように回避の目的で使用することができました。。
<ジャンプ>には高いところから落ちたときにダメージを軽減できるというおまけもあります。

<隠れる>/<忍び歩き>
意外とみんな忘れがちなのですが、やばいときには<隠れる>という手もあります。
あとはこっそり<忍び歩き>で逃げ出しましょう。
この2つが高い探索者は発狂さえしなければ、多くの場合に生き残ることが可能です。


<ほかの言語>
母国語以外の言語です。
日本人の探索者の場合、これがないと折角クトゥルフ神話の記載された貴重な本を手に入れてもまったく読むことができないでしょう。
キーパーによっては日本語で書かれたオリジナルの本を登場させるかもしれませんが、
ルールブックに載っているような有名な本はどれも英語、ラテン語、中国語、ドイツ語、
フランス語、ギリシャ語あたりで書かれています。

<言いくるめ>/<説得>/<信用>
他人に何かさせるための技能です。
キーパーがシナリオ上予定していない行動をNPCにさせるためにも役立ちますので、キーパーの敵です。
((゚Д゚)「おまえ、先に行って危険がないかどうか見て来い。」)
<言いくるめ>と<説得>はキーパーによっては同一の人物に対してどちらか片方しか試みることができないとしています。
プレイ中の会話の途中で、突然ロールを要求されることが多いので、
NPCとの会話はどちらを使うかを予め意識した言動を取っておいた方がいいでしょう。
<信用>は前の2つと違い、行動を起こさなくても受動的に使われます。

<心理学>
他人の精神状態を知るのに役立ちます。
下手すると狂人と常人を見分けて一発で犯人を見抜いたり(証拠がないので、あくまで個人的に怪しいと思う程度ですが)、
嘘をついているかどうかもわかる便利な技能です。

<化学>/<芸術>/<考古学>/<人類学>/<生物学>/<地質学>/<電子工学>/<天文学>/<博物学>/<物理学>/<法律>/<薬学>
これらの技能ははっきり言ってほとんど使うことのない技能です。
何故なら、これらの技能をシナリオ中で使用するためにはそのようなロールに成功しなければ知らないような
専門知識をキーパー自身が知っていなければならないからです。
これらの専門知識全てに精通しているキーパーは存在しないでしょう。
逆に言うと、これらの技能を使うような機会をどれだけ登場させられるかがキーパー自身の教養と腕の見せ所になります。
一方で、これらの技能の基本値が0%でかつ分野は多岐にわたるためなかなかキーパーが
望むようなものを修得している探索者がいません。
そのため、残念なことに直接事件の解決に絡むような重要な情報をこれらのロールで探索者に与えることができません。
(滅多に成功できないシナリオになってしまいます。)
その結果、得られる知識は4、5「へぇ」程度のどうでもいいものか、或いは重要な情報でもキーワードを元に図書館で調べたり、
専門家に尋ねればわかるようなものになってしまうのが現状です。
この手の技能は探索者の個性程度に考えた方がいいかもしれません。
(漏れ的にはあと<数学>が欲しいな。ポワワ)

おまけ
> プレイをしていくうちに、探索者が1つの技能に90%あるいはそれ以上の能力を獲得した場合には、その探索者は現在のSAN
> ポイントに対し2D6ポイントを加算することができます。
> こんな報酬が与えられるわけは、技能をそこまで習得するためには厳しい自己抑制や自尊心があったことを表すためです。
というルールがあります。
ですので、90%以上の技能は最初から作らず、<目星>や<聞き耳>など使用頻度の高い技能を80%代にしておくと
ちょっとだけSANを回復できるかもしれません。



SANロールとか最初に言い出したの誰なのかしら
手元にあるクトゥルフ・ハンドブックを見ると山本弘が使ってます。 たぶんリプレイ集であるワールドガイドでも連発されていたと思います。
日本語版クトゥルフの発売元であるホビー・ジャパン刊行の
RPGマガジンで記事を連載していた牧山昌弘は(この人今、エロゲのシナリオ作ってるのな(;´Д`))
手元に昔のRPGマガジンがないのでわかりません。
RPGマガジンの読者投稿のカリスマだった内山靖二郎は使ってません。
http://member.nifty.ne.jp/yasujirou/
ひょっとしたら古い版ではそもそもルールブックに「SANロール」って書いてあったのかもしれません。

クトゥルフの呼び声をプレイしたことのある人には「SANロール」と言えば今まで絶対通じていたので
気にせず習慣でこれまでそう呼んできてしまいましたが、
かなりこの言葉が初心者プレイヤーの混乱を招いていることに気がつきました。
そこで、SANと正気度について少し解説しておきます。

キャラクターシートを見ると紛らわしい項目があります。
SANと正気度ポイントです。
英語版ではそれぞれSANとSanity Pointsになっています。
確かにSANロールと言われればSANの方の数値でロールしたくなります。
ですが「SANロール」と言った場合には「現在の正気度ポイント」での1D100ロールのことです。
SANは名前が悪いのですが、POWx5(本来の<幸運>)と同値で最初に探索者が持っている正気度ポイントの値であると共に、
<精神分析>によって上げることができる正気度ポイントの限界を示しています。
正気度ポイントはシナリオ達成によるボーナスでSANより上がることも可能で、最大99-<クトゥルフ神話>の値が真の限界となります。
SANはPOWの値が下がらない限り減少することはありません。
<幸運>を使うロールはよくありますが、SANを使うロールというのはまずありません。
ですので、こんな項目そもそもシートになければいいのですが何故かあるので混乱を招きます。
古い英語のサプリメントでも「lose 0/1D6 SAN」と言った紛らわしい記述がかなりありましたが、
これも正しくはSANではなく正気度ポイントの喪失です。
最近のものは気を使っているみたいで、「Sanity loss is 0/1D6」とちゃんと書いてありました。

「SANロール」=「正気度ロール」は
何か恐ろしいものを見た時に正気を保っていられるかどうかのロールですが、失敗即発狂というわけではありません。
それぞれの恐ろしいものや出来事にはそれによって喪失する正気度の値が決められており、
実際に失った値で発狂するかどうかが判定されます。
正気度ロールの失敗はそれによって大きなショックを受けたと言う意味で、
正気度ロールの成功はあまりショックを受けなかったと言う意味です。
それでも物凄く恐ろしいものは例え正気度ロールに成功してもショックを引き起こします。
正気度ロールに成功しても喪失がゼロというわけではありません。
大体の目安としては(成功/失敗)と書くとすると0/1D6、1/1D10、1D3/1D20、1D10/1D100といったものが多いようです。
つまり失敗したら1D100の正気度を失うようなものは成功しても1D10の正気度を失ってしまいます。

例外的に正気度ロールを行わないで正気度を喪失する場合が2つあります。
1つはクトゥルフ神話に関する本を読んだときです。
そのときは内容を理解できようとできまいと問答無用で決められた値の正気度を喪失します。
もう1つは呪文を使ったときです。
ほとんど全ての呪文はマジック・ポイントの消費以外に正気度ポイントか、強力なものは能力値のPOWを同時に失うようになっています。
やはり呪文によって決められた値の正気度ポイントを自動的に喪失します。
マジック・ポイントと違ってこれらの減少は時間が経ったからといって回復することはありません。
(<精神分析>やミッションの成功で上がることはあります。)


クトゥルフ神話の本
5.5版から本の扱いについて一部変更された部分があるようですが、
キーパーの判断は5.1版に準拠して書いています。

クトゥルフに登場する本にはいくつかの役割があります。
まず1つ目ととして探索者の<クトゥルフ神話>や<オカルト>技能を上げるという効果があります。
それぞれの本は読んだことによる知識の増加量が決められており、例えばジョン・ディー博士が訳したネクロノミコンを読んだとすると
<クトゥルフ神話>技能に+15%とか、ジョージ・フレイザーの書いた金枝篇(実在の本です)を読んだら
<オカルト>技能に+5%とか決められています。
技能を上げるためには十分にその内容を研究し、理解しなければならないため、その作業に2D6ヶ月かかるとされています。
(5.5からは本ごとに何週間かかると決められている?)
クトゥルフ神話の本は狂人が手書きで書いてたり、単に古かったり、ひどい扱いを受けてボロボロになっていたり、
ページが抜けていたり、虫食いだらけになっていたりするので解読が非常に困難なのです。
また、本を理解するためには、その本に書かれている言語のロールに成功しなければなりません。
言語のロールに失敗すると内容をまったく理解できなかったことになり<クトゥルフ神話>の技能はまったく上がりません。
その言語の技能が現在より10%以上上昇するまでは、同じ本に対してこのチャレンジをもう一度試すこともできなくなります。
<クトゥルフ神話>技能が上昇したことによって、正気度の最大値がその分低下します。
更に、本ごとに決められている正気度の喪失が起こります。
これはSANロールに関係なく、必ず失うものです。
言語ロールに失敗した場合でも後述の斜め読みの場合と同じだけ喪失します。
例えば上記のネクロノミコンを完全に理解すると2D10の正気度を失います。

2つ目の役割として、本がシナリオを解くためのキーとなることがあります。
この場合は2D6ヶ月もかけていちいち紐解いてられないので、「斜め読み」というものが行われます。
斜め読みにもその本に使われている言語によるロールが必要です。
このロールは完全に理解するためのロールとは別ですので、斜め読みに失敗しても<クトゥルフ神話>技能を上げるための
言語のロールを行うことができます。
斜め読みの言語ロールに成功した場合は、その本に大まかに何が書かれているのかわかり、
探索者の必要としている情報の書かれている箇所がわかります。
このとき<クトゥルフ神話技能>は上昇しませんが、各本ごとに決められている「斜め読みした時の正気度喪失」が起こります。
例えばネクロノミコンでは1D10というように、完全に理解したときの大体半分くらいの値になっています。
一度斜め読みをしたことのある本をじっくり研究した場合は、その時の正気度喪失のダイスの目からは
斜め読みをした時の分を差し引くことができます。
ネクロノミコンを斜め読みして正気度を5失った探索者が、改めて内容を理解したとき2D10を振った結果が13だった場合には
新たに喪失する正気度は8ポイントだということです。
斜め読みにかかる時間はキーパーによって任意に決められることになっていますが、数時間くらいということになっています。

全ての本にとは限りませんが、いくつかの本には呪文が載っていることがあります。
そのときにはキーパーはルールブックに載っている呪文の名前以外の言葉で漠然とどんな内容の呪文が載っていたかを伝えます。
つまり、探索者には実際に呪文を覚えるまでは(ルールブックを持っていても)その具体的な効果はわからないことになります。
呪文を覚えるためには、まずその本を読んで理解していなければなりません。
1つの呪文を覚えるための作業には2D6週間かかります。
その後、各本ごとに決められている呪文倍数をINTにかけた数字以下を1D100を振って出さなければなりません。
ジョン・ディー博士のネクロノミコンではx4です。
この試みは失敗しても次の2D6週間でもう1度といったように時間さえあれば何度でも行うことができます。
クトゥルフの呪文はNPCの狂信者や魔術師に味付けするためだけのものが多く、
探索者が知っていてもあまり役に立たないものがほとんどです。
(「ティンダロスの猟犬との接触」なんて使うのは自殺行為ですし、アフリカの特定の場所でしか効果を発揮しない呪文など誰が使うのでしょう。)

本は登場したら必ず読まなければならないものとは限りません。
最初のうちは物珍しさや<クトゥルフ神話>の知識、呪文などに憧れて読むかもしれませんが、
ある程度<クトゥルフ神話>技能が上がってくると正気度の高い探索者には本の登場がジレンマとなって来ます。
新たな本を読むことによって正気度の最大値が下がり、せっかく高く維持してきた正気度が失われて発狂しやすくなるからです。
つまらない本ばかり読んで<クトゥルフ神話>の技能を上げてしまった探索者は
新たに発見したネクロノミコンに悩まされることでしょう。
今度は物凄く強力で有効な呪文(古き印など)が書いてあるかもしれません。
しかし、その呪文を覚えるためには更に15%もの正気度の上限を失って本を理解しなければならないのです。
必要のない本は斜め読みに留めておくというのも1つの方法です。



インターセッション:生き残った探索者が次のセッションまでにできること

正気度が0になった探索者は永久的な狂気に陥ります。
以後はプレイヤーキャラクターとして使用することはできず、どこかの精神病院でひっそりと余生を暮らしたり、
或いは新たな狂信者として探索者達の前に立ちはだかるNPCになります。

不定の狂気(20%の正気度を一時間に失う)になった場合は1D6ヶ月後に回復して次の探索からは再び参加することができます。
その間、2つの方法でSANを回復することができます。
1つは自宅で誰かに<精神分析>を受けることです。
この場合は他の探索者の知り合いに頼むことになります。
(治療を行う探索者は1人で何人もの患者を掛け持つことはできません。
また、フロイトは自分自身に<精神分析>をしたそうですが、探索者は自分自身に治療を行うこともできません。
<精神分析>を行う探索者が狂気に陥っている場合も当然不可です。)
毎月1度<精神分析>を持つ探索者にロールをしてもらい、成功したら1D3ポイントイのSANを回復します。
ただしダイスの目が96〜00だった場合には逆に1D6ポイントのSANを失い、以後2度とその探索者からの治療は受けられなくなります。
もう1つの方法は精神病院に入院することです。
基本的には自宅療養の場合と同じ<精神分析>の治療を行います。
精神病院における<精神分析>の成功率はキーパーに委ねられてますが、漏れがキーパーのときは面倒なので一律50%にしてしまいます。
自宅治療と同様に96〜00の目では1D6のSANを失い、患者に対する治療はその時点で打ち切られます。
また、精神病院では1D6ヶ月経過ののち正気に戻った場合はすぐに追い出されてしまいます。
<精神分析>による治療でSANがPOWx5以上に上がることはありません。

不定の狂気に陥った探索者は<精神分析>でSANを回復することができます。
では正常な探索者はどうでしょうか?
正常でもSANが低い探索者というのはいくらでも存在するでしょう。
そうした探索者を持つプレイヤーはSANの治療をずるいと感じるかもしれません。
そこで、SANの治療を受けたい探索者は誰でも自宅療養だけ最大6ヶ月まで
(精神病院で治療を受けていた期間の分を含む)
上記のルールと同様の方法で受けることが可能であるとします。

しかし、それではあまりにミッションに成功することによって得られるSANの価値がなくなってしまいすし、
誰しもがミッションとミッションの間のSANの回復を望むでしょう。
精神治療を受ける者を被後見人(旧禁治産者)ということにしてして<信用>の技能を下げるなどのペナルティを与えることもできますが、
それでは<信用>の高い探索者と元々低い探索者で平等なペナルティになりません。
そこで以下のようにします。

ミッションとミッションの間に精神治療を受けずに十分に時間のあった探索者は
好きな技能をどれでも1つ(クトゥルフ神話を除く)の経験を積む機会があったとして
その技能の経験チェックを行うことができます。
経験チェックというのは1D100を振り、技能値「以上」を出せば1D10ポイントの技能上昇といういわゆるレベルアップ作業のことです。
他者の<精神分析>に当たった探索者は必然的に<精神分析>の経験チェックしか行えません。
(治療中1度も<精神分析>に成功していなければ、経験チェックは不可です。)
本来このルールは探索者が十分なお金を払えば、ということになっていますが、クトゥルフはお金の扱いが曖昧なため、考えなくていいことにします。

ミッション中に露骨に人前で法を犯した探索者は逮捕、拘留されます。
殺人や強盗、建物の破壊などの重い犯罪を犯した場合はその時目撃者がいなくても疑われるに十分な理由があるなら
容疑者として逮捕されるでしょう。
不法侵入や、物品の損壊、軽度の傷害、銃刀法違反で逮捕されたり、証拠の不十分な容疑又は正当防衛で逮捕されたりした場合には
次のミッションまでに釈放されますが、SANの回復や上記の経験チェックを受けることはできないものとします。
探索者が犯した罪があまりにひどいものであった場合にはキーパーは探索者を当分の間懲役刑で使用停止処分にするでしょう。

以上のルールは参加するセッションとセッションの間において1回のみ適用されることにします。
例え連続で数回セッションに参加できなかったり、シナリオの都合で数年が経過したことになっていても
SANの回復に使える6ヶ月や経験チェックは1度きりです。
> なぜなら、ゲームの目的はプレイの中で技能を使うことであって、
> プレイの外で技能を向上させることではないからです。
処理は各ミッションの終了後に行うのが都合いいでしょう。



SANチェック

このゲームでは恐怖(死体や怪物など)に直面すると、正気度チェック(SANチェック)を行う。
たとえば、上田次郎は正気度30%なのでたった3割しか成功しない。
正気度チェックに失敗すると、たとえば1d3の出目だけ正気度を減らす。
つまり最初から正気度の低い奴は、坂を下るようにどんどん正気度が減っていきやがて発狂するわけだ。
ある意味一番重要な能力値で、このゲームのキモの部分だったりする。

SANチェックで一度に5ポイント以上正気度を失った場合、<アイデア>ロールに『成功』すると恐怖を認識して「一時的な狂気」に陥るんだ。
一時的なんでゲーム中に正気に帰れるけど、狂気中は普通自由に行動できなくて、キーパーに操作されることになる。
いじわるなキーパーだと怪物に突っ込ませたりしちゃうんだけど、普通は逃げるとか動きが取れなくなるとか、まあとにかく困る。
更にゲーム内時間で1時間の間にSAN最大値の20%を失うと「不定の狂気」に陥る。
こうなると数ヶ月に渡って「無能」な状態になるらしいので、恐らくシナリオの続きをプレイするのは困難かと。
SANが30しかないとたった合計6減っただけでこうなっちゃうわけだ。
6くらいだとちょっと大きな怪物とか、小さくても怪物がたくさんいる場合とか、拷問を受けた場合とかでも十分減りうる値になる。
もっとも旧支配者と神みたいなのに遭遇した場合1D100とか減ったりするから、SAN高くても狂うときは一発で狂うし。
正気度が低いキャラをプレイするのもスリリングで面白いと思うよ。
単に正気度の喪失量を決定するためのロールとは見なしていません。
SANロールに失敗した探索者は例え発狂に至るほど正気度を喪失しなくても、激しくびっくりして
冷静で理論的な行動は取ることができなくなります。
怪物を攻撃するとか、慌てて逃げ道を探すとか単純な行動には支障がありませんが
とっさに車のキーを捜して足音をたてないように立ち去るような判断力は
SANロールに失敗した場合にはないことに留意してキャラを演じてください。



クトゥルフの戦闘と武器解説
まず戦闘に関しては敵を倒してレベルアップするファンタジーじゃないのでそもそも避けた方がいいです。
例え格闘技の覚えのある人でも本気で自分を殺そうと刃物を振り回すキチガイからは普通は逃げると思います。
クトゥルフは神話生物はもちろんのこと人間を相手にしても死にやすくできているので、可能な限り戦闘を避け、退路を塞がれたとか、
誰かが捕まって逃がさなければならないとか倒さなければ恐怖が取り除かれないというような最終局面以外は
可能な限り逃げることをお勧めします。
それに人間を傷つけたり殺してしまうと当然法的に罰せられる可能性があります。
一方、神話生物は下級のものでも人間よりもパワフルなためよっぽど強力な武器を所持していたり、
かなり肉体的に優れたガチムチキャラじゃないと勝ち目はほとんどありません。

それでも戦闘になった場合、戦闘はDEXを基準に処理を行います。
同じDEXの人がいた場合はD100ロールをして小さい順に処理します。

まず、「すでに構えている」火器があった場合には最優先で発砲できます。
例えDEX3でも銃を構えている人がいればその人が最初になります。
銃を持っている人が多数いた場合にはその中でDEX順に処理します。
「連射」機能のあるマシンガンなどはこの時点で全弾撃ち尽くすことが可能です。
最初の発射が終わったら、残りをDEX順に処理します。
「構えていなかった」火器はこの時点で初弾が発砲可能です。
攻撃回数が複数の「構えていた」火器はここで2発目を発砲できます。
攻撃回数が3の「構えていた」火器は更にDEXを半分にした値の順番で3発目を発砲できます。
「構えていなかった」火器の2発目も同様です。
火器を持っている場合は「構えておく」という行為が重要であることを覚えておいてください。

人間を相手にする場合は素手か鈍器による攻撃で殺さないように「ノックアウト」することが可能です。
ダメージロールの結果と相手の耐久力から判定を行い、成功するとダメージロールの結果の3分の1のダメージを与えて
相手を気絶させることができます。
失敗した場合は通常通りのダメージを与えてしまいますので十分注意してください。

その他に武器や素手で相手の攻撃を受けるとか奇襲とか、両手に武器を持つとか、銃を未照準で乱射するとか、細かいルールもありますが、
その辺の可否はゲーム中にキーパーに尋ねてください。

先の尖った武器や、銃弾などはロールの結果が技能値の5分の1以下だった場合「貫通」します。
この場合ダメージロールを2回分振った合計がダメージになります。
但し、神話生物の中には貫通する武器に対して強い(刺し傷ではダメージを与えられない)ものがかなりいるので、
常に有利な武器であるとは限りません。

素手による攻撃のロールの結果が<マーシャルアーツ>の技能以下だった場合は「貫通」と同様にダメージの2度振りができます。
従って、素手による攻撃技能以上の<マーシャルアーツ>はあまり意味がありません。

武器を手にすることは常に有利なこととは限りません。
神話生物は非常に高い(人間よりも)知能を持っていますので、武器を持っている者を優先的に狙うかもしれません。
また、武器を持っている者は好戦的な性格と判断してキーパーはそのPCが発狂したときには
逃げ出したりせずに勝ち目のない神話生物や味方に攻撃させてしまうかもしれません。
日本には銃刀法があることも忘れないでください。
(漏れも初心者の頃は金属バットやスタンガンを片手に町で情報収集したりしてしまったけど、警官に職務質問されて激しく困ったよ。)

特殊な攻撃
面倒な話ですが、ファンタジーRPGならまだしもクトゥルフにおいては探索者が「正義」を理由に「人間」を殺すことを個人的に漏れは望みません。
そのため、少なくとも漏れは探索者が「人間」を殺さなければならないシナリオは作りません。
それでも狂信者や魔術師といった「人間」に襲われることはあります。
その時は万が一殺してしまっても正当防衛として扱いますが、基本的には逃げる、または気絶させることを考えてください。
そこで今回は特殊攻撃についてのルールを解説します。
ちょっと戦闘が複雑になるので、キーパーはこのルールを無効することもできます。

「ノックアウト攻撃」
攻撃を行う前に「これはノックアウト攻撃である」と宣言します。
ノックアウトができる攻撃は、<パンチ>、<キック>、<グラップル>、<頭突き>、<棍棒>のような鈍器だけです。
まず、普通の攻撃と同じようにダメージを振ります。
この時に出たダメージの値で、プレイヤーが標的の現在のHPに対する抵抗ロールを行います。
ロールに成功した場合、ダメージの値の3分の1(端数切り上げ)標的のHPを減少させ、標的は数分間気絶します。
ロールに失敗した場合、ダメージは通常通り標的に与えられ標的は気絶しません。
(それとは別にショックやHPが1か2になることによって意識不明になることはあります。)
つまり、ノックアウト攻撃でノックアウトし損なったからといって通常の攻撃に比べてなんらペナルティを負うことはありません。
人間が相手の場合は積極的に使用することをお薦めします。
現代日本でも手軽に購入することのできるテイザー(スタンガン)は攻撃が命中しただけで相手を行動不能にする便利な武器です。

「受け」
1戦闘ラウンドに1人1回ずつ、いつでも近接戦攻撃を「受け」流すことができます。
但し、受けはラウンドの最初に誰かが攻撃宣言を行う前に誰からの攻撃を受け流そうとするのか宣言しなけらばなりません。
つまり攻撃が確定する前に予想しておく必要があり、攻撃者は後からその宣言を聞いて相手を選ぶことが可能です。
受けロールには素手による攻撃の技能、又は武器による攻撃の技能を使用します。
素手による攻撃(<パンチ>、<キック>、<グラップル>、<頭突き>)は素手による攻撃の技能で受け流すことができます。
武器による攻撃を素手で受け流すことはできません。

武器による攻撃の技能は、素手及び武器による攻撃を受け流すことができます。
(もちろん、その武器を所持している必要があります) 武器を使って受け流した場合は、本来与えられるはずのダメージを振ります。
その値が武器の持つ耐久力以上であった場合、その武器は破壊され、上回った分のダメージを探索者が被ります。
武器の持つ耐久力は減少しませんので、一撃で耐久力を越えるダメージを与えなければ破壊できません。
近接戦用の武器及び素手は同じラウンドで攻撃と受けの両方を行うことが可能です。

拳銃やライフル等の火器を使って受ける場合、そのラウンドに同一火器による攻撃はできません。
棍棒で受けて、キックで攻撃するなどの複雑な組み合わせはキーパーの判断におまかせします。
受けと回避は別の行動ですので、1つの攻撃に対して両方試みることができます。

「武器を投げる」
<投げる>ロールで命中判定を行います。
ダメージ・ボーナスは半分になります。
旧版の日本語ルールブックではダメージ・ボーナス+2D6のモンスターが投げたものは「+1D6又は+2D3のダメージ」になると
いい加減な記述をしていますが、通常通りダメージ・ボーナスの分のサイコロを振り出た目を半分にして端数切り上げるのが妥当だと思います。
「両手に武器を持つ」
両手に武器を持っていても2回攻撃はできません。
2回受けもできません。
左手に持った棍棒で受けて、右手に持ったナイフで攻撃のようなことは可能です。

「グラップル」
<グラップル>の技能は少々複雑な攻撃です。
グラップルを行うにはまず、最初に1回<グラップル>ロールに成功しなけらばなりません。
その後、選択肢があります。

 1.STRvsSTRの抵抗ロールに成功すれば、以後相手を動けなくすることができます。
 相手の動きを封じている間自分も行動できません。

 2.相手を地面に倒します。宣言だけで自動的に成功します。
 (メリットはよくわかりませんが、状況に応じてキーパーが判断してください。)

 3.続けてもう一度<グラップル>ロールに成功することで、標的の持つ武器を奪うことができます。

 4.続けてもう一度<グラップル>ロールに成功することで、1D6+ダメージ・ボーナスのダメージを与えることができます。
 標的はこの状態から逃れなければ、次のラウンド以降<グラップル>ロールに成功するごとにダメージを受けます。
 このダメージでノックアウトのルールを適応することも可能です。

 5.相手の首を絞めて「窒息」のルールを適応させることができます。
 「窒息」しているキャラクターは最初のラウンドでCONx10ロール、次のラウンドでCONx9ロールと倍率が減少するロールを行い、
 失敗したラウンドから毎ラウンド自動的に1D6ダメージを受けます。

 ※4、5の攻撃を受けている標的はSTRvsSTRの抵抗ロールに成功することによってグラップル状態を脱出することができます。



銃に関する注意書き

シナリオによっては火器を使った派手な戦闘が起こることが予想されます。
しかし、どんな時でも逃げるということが(例えシナリオの目標を達成できないとしても)
生き残るための正しい選択だと言うことを忘れないでください。
また、シナリオで生き延びるために最も重要な技能は<拳銃>でも<マシンガン>でも、<マーシャルアーツ>でもありません。
いくら戦闘で「敵」をたくさん倒しても、死んでしまっては意味がありませんので注意して技能を選択してください。
クトゥルフでの火器は漏れがキーパーの場合、シナリオによって与えられるものと考えているので、
プレイヤーが予め探索者に持たせることはあまり好ましくありません。
特に現代日本を背景にキャラクターを演じる場合は仮に猟銃ライセンスの保持者でも、
シナリオ導入時や事件の調査で自分の銃を持ち歩ける可能性は限りなく少ないでしょう。
今回も海外が舞台ということもあり、空港を通らなければいけないため
火器を所持する理由に十分な探索者でも持っていくことはできません。
任意の銃が欲しい場合はセッション中にガン・ショップに寄って購入するということも可能ですが、
強力な武器は逃亡中の殺人犯が使用したものだとかキーパーは探索者にそれなりのリスクを与えるようにルールブックで指示されています。
今回のシナリオ中で入手する火器はキーパーの独断でかなり適当に選んでいますが、すでに決定しています。
例えば<ライフル>技能にボーナスを大量に割り振っても、ライフルなんてなかった、ということも十分あり得ます。
シナリオ中にどの技能が使われるのかなんてわからないのです。
滅多に使われないという意味では<ライフル>も<物理学>も同じことです。

キャラクター作成の際の火器の技能はハウスルール的に以下のように決めさせていただきます。
警察、刑事、軍隊指揮官は職業のボーナス(EDUx20)で<拳銃>のみ好きなだけ割り振ることができます。
農夫は猟師という設定でのみ<ライフル>に職業のボーナスを好きなだけ割り振って構いませんが、
それ以外の場合には職業のボーナスは<ライフル>には1%も割り振らないでください。
同様にスポーツ選手はクレー射撃かライフル射撃の選手という設定でのみ<ショットガン>か<ライフル>に職業ボーナスを好きなだけ
割り振ることができます。
兵士は職業のボーナスで<ライフル>と<マシンガン>に割り振ることができます。
上記以外の場合は趣味のボーナス(INTx10)でのみ具体的な理由と背景を添えて火器の技能を上げることができます。
(元警官で今は退職して私立探偵とか。)
ですが、あまり銃マニアの探索者ばかりにならないように気をつけてください。
何度も言いますが、基本的に生き残るために有利な技能は戦闘の技能ではありません。銃は基本技能だけでも十分撃つことができます。
登場する火器の数にも限りがありますので、火器の技能に割り振った分だけ
生き残れる確率を自ら下げているかもしれないということを理解してください。

今回のシナリオに限らず、不法でもいいから探索者に銃を持たせてみたいという銃オタのプレイヤーもいるでしょう。
漏れ自身銃オタなので気持ちはわかります。わかります。
そこで、<クトゥルフ>神話技能を持っている探索者には銃を不法に入手することを許可します。
法なんか無視してまでも自分の身を守らなければいけない程の恐怖がこの世に存在することを知ってしまったからです。
発狂しないようにPOWの高いキャラクターを作り銃でバンバン神話生物を倒すというのは難しい要求になります。
もちろん、銃の所持や使用にはそれ相応のリスクが伴います。
事件の解決に目立って銃を使ってしまえば、現場に到着した警察官に速やかに逮捕されることでしょう。
それ相応のロールプレイが要求されます。
或いは<隠す>ロールが有効かもしれません。
所持できる銃の種類はキーパーと相談して決めてください。
H&K MP5を入手するなどということは考えにくいことです。





クトゥルフは死にやすいRPGと言われています。
キャラが死ぬのは覚悟してください。
ですが、キーパーはPCが死ぬのを望んでいるわけではありません。
できれば死んで欲しくないのです。
キーパーによってはシナリオ演出のためにPCを殺す人もいます。
しかし、プレイヤーとしてはいつも真新しい探索者ではキャラが成長する楽しみがないのがいつも不満でしたし、
キーパーとしても、クトゥルフ神話技能がある成長した探索者がいるのといないのとでは作れるシナリオのバリエーションが変わってきます。
せっかくアイテムや魔道書を出しても、持ち主がすぐに死んでしまうのでは勿体無いです。
かといって安全なシナリオにはできません。
常に危険と隣り合わせだからこそ怖いと思えるからです。
決して高い確率ではありませんが、ダイスの目によっては死ぬ可能性があります。
とても成功しないようなロールを振らされて絶望的な状況で死んだ場合にはすでにそこへ至るまでの過程で
キーパーの予想以上の無茶をし(或いは罠にはまり)、危険を選んでしまったということです。



発狂
本来のルールでは発狂は1D10を振り、その結果に従って症状を決めます。
5.5版では一時的発狂も1D10で結果を決めるようです。
キーパーは参考までに1D10を振るかもしれませんが、探索者を救出するために、或いは逆に危険な目にあわせるために
ダイスの結果を無視して症状を決めることがあります。
能力が高く自信に溢れたキャラを演じていると攻撃的な発狂状態に、行動力がなく無気力なキャラを演じていると
身動きが取れない状態に、ロールプレイが面白いキャラは幻覚などを見るような状態にする傾向があります。



神話生物
神話生物はかなり柔軟に使います。
能力値がルールブックに載っているのと変わっている場合があります。
ルールブックに載っていない呪文を知っているかもしれません。
旧支配者ぢもにとっては自らの能力を変化させたり呪文の1つ2つ覚えることは何の造作もないことだと思います。
原作は一通り読んでおり、その生物の持つ本質は損なわないようにはしていますが
例えばグラーキーが日本に現れたとしても文句を言わないでください。
グラーキーが移動したいと思うなら、香具師いつでもどこへでも移動することができるのです。
(神によってそれぞれの地に封印されているというオーガスト・ダーレス的な解釈は行っていません。)
ルールブックのデータを見ながら行動の打算は通用しないと予め断わっておきます。
例え全力で走って逃げていても、外なる神の従者に追いつかれる可能性があります。



探索者の心得
クトゥルフに参加するキャラクターは性格の肉付けよりもそれ以前に探索者であることを忘れないでください。
プレイヤーが演じるのは探索者であって一般市民ではないのです。
探索者はある程度勇敢(或いは愚か)であり、好奇心が旺盛なのでなければなりません。
クトゥルーの原作を読むとどいつもこいつもよせばいいのに余計なことに首を突っ込んで大変なことになっています。
その登場人物と同じことがPCには求められます。
例え超常現象なんか信じない科学主義者でも幽霊屋敷の探索を求められて
「私は行かないわ、モルダー。幽霊なんて信じていないもの。」
と答えるようではクトゥルフに参加する資格がありません。
「私が行って幽霊なんていないことを証明してあげるわ。」
というのが正しい探索者の姿です。
昔、数日以内に死の危険性のあるPCを助けるために途中から舞台をアメリカに移して展開するシナリオを作ったことがあるのですが、
ロールプレイを重視するがあまり、
「自分のキャラは自己中心的という設定なので、他人のためにアメリカまで行くはずがない。」
と主張して譲らないプレイヤーがいて、困ったことがありました。
(別の現地キャラを作って貰って続行しました。)
クトゥルフのPCは定職を持ち、生活や収入のある人物がほとんどです。
ファンタジーのように報酬さえちらつかせれば見ず知らずの人間が集まって一緒に冒険してくれるというものではありません。
おかげでキーパーは常に導入に悩まされています。
押しのシナリオばかりではワンパターンになるのでたまには強制力のない引きのシナリオも作らざるを得ません。
引きの弱さは半分はキーパーの責任ですが、プレイヤーとしても可能な限り乗ってあげるようにしてください。



情報の集め方
クトゥルフの世界はリアルワールドに従って展開していますが、何もかもが完全にリアルというわけではありません。
クトゥルフにはクトゥルフの独特の世界観があり、価値観があるのです。
ファンタジーなら冒険者は情報を集めるためには酒場へ行くという定石があります。
クトゥルフでは突然自由に行動することを許されたとして、情報を集めるためにどうしたらいいのでしょうか?
かなり偏見が入っており、半分くらい嘘かもしれませんが、市販のシナリオ集を見ると結構こんな感じです。

探索者
クトゥルフの探索者は何故かどこへ行っても事件に遭遇する運命です。
自分から首を突っ込む場合もあるかもしれませんが、多くの場合、探偵漫画の主人公や、ダイ・ハードのブルース・ウィリス並に
偶然で何度も怪事件に巻き込まれてしまいます。

警察
事件が起こったら警察へ行く。これはリアルの常識です。
ところがクトゥルフの世界の警察は極めて怠慢です。
他のわかりやすい犯罪の捜査に忙しいため、怪奇事件にはまったく興味を持ちません。
探索者達には非協力的です。
そのため未解決の怪奇事件が山のようにあります。
警察署へ行けば過去の事件の記録があります。
ですが、探索者自身が関係者でない限り普通は見せて貰えません。
しかしクトゥルフの世界の警官は賄賂が大好きなので、ひょっとしたら<言いくるめ>や<値切り>が有効かもしれません。

新聞社
警察と同じく、過去の事件の資料があります。
アポなんかなくても結構簡単に資料を見せてくれます。
「ring.exe」の浜地のプレイヤーは知っていたみたいです。ベテラン?
キーパーによっては<信用>、<言いくるめ>、<説得>あたりを求めるかもしれません。

図書館
事件のキーワードなどを本や過去の新聞から調べることができます。
クトゥルフの世界の図書館は市民図書館のようなものより大学の図書館に近いものを想像してください。
誰でも自由に利用できます。
稀に一般には閲覧禁止の本なんかもあります。
そういったものは誰かの紹介や、学術的な専門知識を証明する各専門分野の学術技能か<信用>を必要とするかもしれません。

郷土資料館
クトゥルフ神話的な脅威が、ここ数年に発生したものではなく過去数百年にも渡る歴史に関する場合には登場します。
キーパーによっては<歴史>ロールだけで済ませてしまいます。

インターネット
クトゥルフの多くのシナリオは1920年代のアメリカを舞台に作られていますが、日本人がプレイするなら現代日本の方が親しみがあります。
クトゥルフのルールブックが発売された1990年代はまだそれほどインターネットは普及していませんでしたが、
2000年以降を背景にプレイする場合インターネットも強力な情報源になりえます。
<コンピューター>が役に立つでしょう。
但しロールに失敗すると某巨大掲示板群で偽の情報を掴まされたりターンAのアスキーアートを目撃してSANを失うかもしれません。

人を訪ねる
人物名が出てきたら直接尋ねるか、電話してみましょう。
名前が出てきて情報をくれない人物は死人か行方不明者か事件の犯人くらいなもんです。
<心理学>が役に立つことがあります。

不法侵入
リアルでは駄目絶対ですが、クトゥルフ的にはOKです。
怪しい建物にはバンバン侵入して証拠を掴みます。
さすがに建物に火をつけたりするのはアウトですが、多少物を取るくらいなら警察は見逃してくれます。
警察は怪奇事件に絡む小さな問題は捜査しないのです。
市販のシナリオはに勝手に人の家に入り込むものが実際に多いです。
<錠前>、<忍び歩き>、<隠れる>が役に立ちます。
2階から出入りするために<登はん>や<ジャンプ>を使うこともあります。

日記
日記、手帳、メモあたりに謎の答えが全て書いてあります。
建物内に入ったら日記のようなものを探してください。
クトゥルフの世界の住人は、どんなときでも日記を書きます。
例え目の前に怪物が迫っている時でも「じじいが窓をバンバン叩いてる!もう駄目だ!」
とか検察官風の文章を書き続けています。
クトゥルフのシナリオの半分は日記を見つけたら解けます。
残りの半分はクリリンの分です。

殺人
戸籍を持つ人間でも魔術師だったり、狂信者だったり怪物に変化していたりした場合はやっちゃっていいみたいです。
きっと正当防衛になるんでしょう。
漏れがキーパーのシナリオでは基本的にやっちゃ駄目です。

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