「機動武将まじかる☆呂布リン!」
第5回 『じんちをつくろう!(仮)』Bパート
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シーン1 公園内城壁跡(外側・その1)
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(呂布、陳宮、生徒達が壁の外側を歩いている)
生徒D:近くで見ると結構高くて大きい壁なのね・・・
呂布:ほんと これなら敵に攻められても大丈夫ね
生徒A:それにしても・・・どこに行っちゃたのかなあ
(陳宮、おずおずと申し出る)
陳宮:あの、手分けしてみるのはどうですか?
生徒B:そうね、同じ所に固まるよりもその方がいいかも
生徒C:じゃあ、後でもう一回ここに集合しましょ
陳宮:では僕は呂布さんとこの辺りをもう少し捜してみます
生徒D:私達はあっちへ行ってみるね
(生徒C、Dが去って行く)
生徒B:私達も捜してくる
(生徒A、Bは反対の方向へ)
(呂布と陳宮だけがぽつんと立っている)
呂布:みんないっちゃった・・・ね
陳宮:そうですね
(呂布、陳宮の顔を見る)
(陳宮と視線が合ってしまい真っ赤になって顔を背ける)
呂布:(はうぅ〜)
呂布:(なんかへんに意識しちゃうよぉ〜)
(そんな呂布とは対照的に落ち着き払った陳宮)
(陳宮、腕時計を見る)
陳宮:(そろそろいい頃合いですね)
陳宮:呂布さん
呂布:は、はいっ
陳宮:呂布さんは城壁の内側を見てもらえませんか?
陳宮:僕は外側を見てみます
呂布:うんっ わかったっ
陳宮:そこの先で一箇所、壁が崩れて中に入れますから
呂布:はーい
呂布:あ、ここだ
(呂布、城壁の一箇所だけ切れた所を見つける)
(案内板があり『城壁内出入口 狭いためご注意下さい』とある)
呂布:けっこう幅がせまいのね・・・これじゃ一人ずつしか通れないわ
呂布:それにこの壁、かなり厚さある・・・
(陳宮、呂布が城壁の内側に入る姿をみて呟く)
陳宮:これで主役は準備完了です・・・後は脇役の方ですね
陳宮:陣立てとしてはいささか不恰好ですが
陳宮:その分が役者さん達に頑張って貰いましょう
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シーン2 公園内城壁跡(内側・その1)
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(城壁の内側はかつて整地された跡が残るままで建造物は何もない)
(ただ一つ、観光用の大きな案内板だけが跡地の真ん中にポツンとある)
(呂布、中を見回すが誰もいない)
呂布:まさかとは思うけど、いちおう案内板のむこうがわも見てみようっと
(呂布、案内板の向こう側に回ってみる。誰もいない)
呂布:やっぱりいないよね・・・
(呂布、ぐるりと周りを取り囲む高い壁を見る)
呂布:なんだか・・・壁に閉じ込められたみたいなかんじ・・・
呂布:とりあえず、陳宮クンの所へ行こうっと
(呂布が足を踏みだそうとしたその時)
呂布:これは・・・裏山の時と同じかんじ!
呂布:だれかがきてるわ! すぐちかくに!
(呂布は城壁の切れ目に向かって走る)
(切れ目に近づくにつれ外から声が聞こえる)
李粛:この辺りのはずだ!胡軫、華雄!
李粛:二人ともよく捜してくれ!
胡軫:おうよ!
華雄:うむ!
(外に出ようとした呂歩は、一旦壁の切れ目に身を隠す)
呂布:(あれは間違いなく李粛って人・・・)
呂布:(ふぇ〜ん 今度はなかまをつれて来てるよ〜)
(呂布、何かに気づいたように)
呂布:そうだ!陳宮クン! だいじょうぶかな!?
(徐々に李粛達の声が近づいてくる)
呂布:えと、えと、どうしよ
(呂布が迷っている間にも李粛、胡軫、華雄は近づいてくる)
呂布:と、とりあえず中にもどろっ
(呂布、城壁の切れ目を内側に向けて引き返す)
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シーン3 公園内城壁跡(外側・その2)
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(李粛、胡軫、華雄は壁の切れ目に来る)
李粛:なんだ、これは
(李粛、何気なく切れ目を覗く)
(李粛の視線の先には奥へ行こうとする呂布がいる)
(李粛、壁の切れ目に向かって)
李粛:あっ!お前はあの時の子供!
呂布:わわっ 見つかっちゃった!
李粛:待て!
(胡軫と華雄、李粛に近づく)
華雄:どうかしたのか?
(李粛、壁の切れ目の奥を指差して)
李粛:あの子供は前に言った赤兎馬と一緒にいたヤツだ!
胡軫:何だと!?
李粛:きっと玉璽の事を何か知っているに違いない!
胡軫:よし 俺に任せろ
(胡軫、切れ目に身体を滑り込ませる)
胡軫:う、狭い・・・
華雄:やむを得ん 一人ずつ通ろう
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シーン4 公園内城壁跡(内側・その2)
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(呂布が壁の切れ目から身体を出す)
(呂布、ポケットに手を突っ込み何やら取り出す)
呂布:あった!
(呂布の手には小さくなった戟、そして笛がある)
呂布:赤兎ちゃんふが『もしもの時は思いっきりこれを吹いてね』
呂布:って渡してくれたけど・・・
(呂布、大きく息を吸いこみ、笛を咥える)
呂布:・・・・・・・・・!
(音が出ない)
呂布:な、なによこれ!なんにも音がでない!
(胡軫、華雄、李粛の順で通過中)
胡軫:華雄、李粛! 隙間の向こう側に例の子供がいるぞ!
李粛:よし、そのまま進め!
呂布:あうぅ ど、どうしよう
(呂布、手に握られている方天画戟を見る)
呂布:こうなったら・・・
呂布:戟よ、大きくなって・・・
(戟は輝きつつ元の大きさへ)
呂布:よ、よしっ、いくわよ
(戟は戦闘用の姿へ)
(呂布が戟を構えるのと同時に胡軫が抜け出ようとする)
胡軫:ぬうっ 戟だと! ちょこざいな!
(呂布、目を閉じて攻撃)
呂布:えいっ!
(胡軫はまだ身体が半分壁の隙間にある)
(呂布が上段から戟を振り下ろす)
(胡軫の頭に真上から戟の柄が当たる。胡軫、声も立てず一撃でのびる)
(胡軫は壁の出入口を塞ぐような形になる)
呂布:あ、あれ?あたった?
華雄:胡軫よ、どうした!
(そこへ赤い影が城壁を飛び越え中へ)
呂布:あ! 赤兎ちゃん!
赤兎:どうにか間に合ったみたいね!
華雄:あっ! お前は赤兎馬!
(状況がつかめず苛立つ李粛)
李粛:何があった!ここからじゃ全然見えんぞ!
華雄:胡軫が! 赤兎馬が!!
(のびた胡軫を押しのけるようにして華雄が這い出ようとする)
(そこへまた呂布が一撃。今度は横に殴る)
呂布:えいっ!
(華雄も呂布の一撃で沈黙する。崩れる華雄の身体)
(華雄が倒れたおかげで李粛はようやく視界を確保)
(倒れている胡軫と華雄、そしてその向こう側の呂布と赤兎)
李粛:ぬおっ! 何という事だ!
(呂布、虚勢を張る。足が微妙に震えている)
呂布:へ、へへーん!
呂布:この3週間、わ わたしだって練習したもんっ!
李粛:く、くそっ!
呂布:ど、どう? ま、まだやる気?
赤兎:あんた達、この子を甘く見ない方が身の為よ
(呂布、赤兎の両名と5秒間睨み合うと李粛)
李粛:畜生!覚えておれ!
(胡軫、華雄を引きずるように四苦八苦しながら逃げていく李粛)
(李粛の姿が消えてからしばらくして)
赤兎:・・・どうやら行ったみたいね
(呂布、途端にその場にへたり込む)
呂布:はぁ〜・・・たすかった・・・
赤兎:やれやれ 3人がかりで来るとはね
(呂布、赤兎を泣きそうな顔で睨む)
呂布:赤兎ちゃん!
赤兎:な、なに?
呂布:なによ〜この笛〜 ぜんぜん音がしないじゃないの〜!
(赤兎、吹き出して笑う)
赤兎:あははははっ
呂布:もぉ〜 なにがおかしいのよ
赤兎:ご、ごめんなさい! あははっ
赤兎:あのね、それって人間の耳には聞こえない音がする呼び笛なの
呂布:え・・・そうなの?
赤兎:だから音が聞こえなくてもいいのよ
赤兎:それにあたしはちゃんとここに来れたでしょ?
呂布:・・・うん
呂布:でも、赤兎ちゃんはおうちにいたはずでしょ?
呂布:ここまで来たのってはやすぎない?
(赤兎、胸を張る)
赤兎:これでもあたしは『一日千里を走る』のよ えっへん!
呂布:ふぇ?せんりって・・・えーと・・・
赤兎:この世界では大体3000キロって所かな?
※↑一里=3キロ計算 違ってたらごめんなさい
呂布:赤兎ちゃんって・・・すごいんだねえ・・・
(遠くから陳宮の呼び声)
陳宮:呂布さーん・・・どこですかー?
呂布:いっけない!陳宮クンといっしょだったんだ!
赤兎:あたしは一旦隠れるわ! ほーちゃん、また後でね!
(赤兎、城壁を軽々と飛び越え姿を消す)
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シーン5 公園内城壁跡(外側・その3)
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(呂布、壁の切れ目を抜けて外側へ)
(呂布が外へ出た所でちょうど陳宮と鉢合わせ)
陳宮:ああ、呂布さん そこにいたんですか
呂布:う、うん
陳宮:それで、どうでしたか?
呂布:あ、何とか追い返し・・・あわわ
陳宮:え?
呂布:ううん、誰もいなっかたよ
陳宮:そうですか・・・
(今度は遠くから生徒Aの呼び声)
(生徒A以外にもB,C,D)
(そして陳宮班のメンバーである生徒1、2、3、4が一緒)
生徒A:ほーちゃーん! 陳宮くーん!
生徒1:おぉーい! 陳宮ー!
陳宮:皆さんが見つけてくれたみたいですね
呂布:そうみたいね よかったね、陳宮クン
陳宮:ええ、良かったですよ・・・色々と
呂布:?
(呂布と陳宮の二人のもとへ生徒達が集まって来る)
生徒1:陳宮、ここにいたのか 探したんたぞ
陳宮:どうもお手数をおかけしました
生徒A:あのね、他の皆も陳宮くんの事、探してたんだって
陳宮:そうだったんですか どこかですれ違ってしまったんですね
生徒2:なんかさ、陳宮がずっと一緒にいるような気がしてさ
陳宮:でもまた合流出来てよかったです
生徒3:そうだ!せっかくこれだけ人数が集まったから何かして遊ぼうぜ!
生徒C:いいわね そうしましょ
呂布:なんかへんなことがあったぶん、楽しみましょ!
生徒B:変な事?
呂布:あ、ううん なんでもないの
生徒4:じゃあ、あっちの原っぱに行こうぜ!
(一同移動開始。呂布は先頭を切って歩く)
(すると陳宮が生徒1の背後に近づく)
陳宮:あれ? 背中に何かついてますよ
生徒1:え、マジ? 陳宮、取ってくれよ
陳宮:はい
(陳宮、すばやく生徒1の背後から紙のような物を取る)
(そして取った紙をそのままポケットに突っ込む)
陳宮:取れました ただのゴミでしたよ
生徒1:ありがとな
(しかし紙はポケットからこぼれ落ちてしまう)
(紙は水溜まりに落ちる)
(一同が通り去ったしばらく後に赤兎が現れる)
(赤兎は水溜まりに落ちている紙を拾い、表情を険しくする)
赤兎:これは・・・・!?
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第5話終了
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