「機動武将まじかる☆呂布リン!」
第7話 『せきとのひみつ(仮)』Aパート
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シーン1 董卓の根城(謁見の間)
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(画面は遠景を映す)
(薄暗い部屋に呂布と董卓の二人だけがいる)
(董卓は呂布に向かって手を伸ばしている)
(カメラは二人にズームイン)
(董卓は呂布の服を脱がそうとしている)
董卓:ささ 今、ラクにしてやるからな
(董卓の手に力が入ろうとすると、部屋の外から董卓を呼ぶ声がする)
声:大変でございます!一大事にございます!
(董卓、舌打ちして扉に向かって叫ぶ)
董卓:ええい! 後にせい!
声:それが、一大事にございます!
(董卓、ためいき)
董卓:うるさいのう 何だというのだ
声:それが、この屋敷に赤兎馬が!
(董卓、顔色が変わる)
董卓:なに?
声:はっ 詳しい事は表にてご報告しますとの事です!
董卓:・・・むぅ
声:お急ぎを!
(董卓は一瞬思案するがすぐに決断)
董卓:わかった すぐに行く
(董卓は呂布に視線を戻す)
(呂布は先ほどの余韻でまだ息が荒い)
董卓:急用ができた 続きはまた後だ よいな?
呂布:・・・はい
董卓:よし、ではここで待っておれ
呂布:・・・はい
(董卓、足早に去る)
(董卓は謁見の間を出て行く)
(董卓と入れ替わりに扉の陰に隠れていた陳宮がすばやく部屋に入る)
陳宮:呂布さん、助けに来ました! だいじょ・・・あっ!
(陳宮、衣服の乱れかかった呂布をみて驚愕)
(陳宮、駆け寄る)
陳宮:だ、大丈夫ですか?
(呂布は息の荒い返事)
呂布:・・・はい
(陳宮、呂布の表情を見る)
(呂布は頬が赤く、瞳がやや潤んでいる)
陳宮:何か、妙なことはされませんでしたか?
呂布:・・・はい
陳宮:呂布さん?
呂布:・・・はい
(陳宮、様子がおかしい事に気づく)
(陳宮、呂布の目の前で手を振ったりして反応を確かめる)
(呂布は無反応)
陳宮:早く何とかしましょう
陳宮:しかし、ここだとまずいですね いつ董卓が戻ってくるかわかりませんし
呂布:・・・
陳宮:使われていないような小部屋が幾つかあるので、そこへ移動しましょう
呂布:・・・はい
(陳宮、先行して廊下の様子を伺う)
(廊下には誰もいない)
陳宮:行きましょう
(陳宮、呂布の手を引く)
呂布:・・・はい
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シーン2 董卓の根城(未使用の小部屋)
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(窓に打ち付けられた板の隙間から部屋に光が差している)
(狭い部屋にホウキ、チリトリ、モップ、雑巾などが照らし出される)
(どの道具も埃を被り長期間放置されたままのようだ)
(呂布を背負った陳宮が部屋に入って来る。)
※↑リュックサックは背中でなく胸側にかけています
(中に入ると陳宮は慎重にドアを閉じる)
(陳宮、呂布を降ろしながら話し掛ける)
陳宮:よっと・・・ここなら少し、時間が稼げます
呂布:・・・はい
陳宮:この香は知力の低い者にかなりの効果を発揮する、と聞いてはいましたが
呂布:・・・
(陳宮、呂布の目を医者が検査をするように見る)
陳宮:どうやらかなり吸い込んでしまったようですね
呂布:・・・
陳宮:呂布さん、とりあえず香を外しますね
(陳宮、呂布の胸元に手を伸ばし小袋を外そうとする)
(陳宮はその際、呂布の胸に触れてしまう)
呂布:は ぁっ ぅ
(呂布は頬を染めて呻く)
陳宮:うあっ! す、すいません すぐ取りますから!
(陳宮、その表情に動揺する)
(陳宮が手を動かすと呂布の身体に触れる)
呂布:・・・ぅ
陳宮:もう少しですから
(緊張のあまり袋も持つ陳宮の手が震える)
(首筋あたりまで引き上げると呂布の首筋に指が触れる)
呂布:は うッ!
(呂布、喘ぐ)
陳宮:あっ!
(陳宮、驚いて思わず手を滑らす)
(陳宮の指の間から袋は転げ落ちる)
(袋は呂布の開いた襟から胸元へ入ってしまい、衣服の中へ)
陳宮:し、しまった・・・
呂布:・・・
陳宮:あの、すいません! わ、わざとじゃないんです
呂布:・・・はい
陳宮:どうしましょう
(陳宮、呂布の表情を見る)
陳宮:呂布さんは自力では取れそうにないですし・・・
(呂布はまだ意識がはっきりしていない)
陳宮:しかし、取るには直接手を突っ込まないと・・・
(陳宮、頭を抱えて苦悩)
陳宮:でも、服の中に手を入れるって事は、しかし、他にも方法が
陳宮:あっ でも早くしないと董卓が戻って来ますしあああああ!
(陳宮は自問自答を繰り返す)
(やがて陳宮は覚悟を決めて言う)
陳宮:すすすすいません! 呂布さん、直接取り出します!
呂布:・・・はい
(陳宮、目を固く閉じる)
陳宮:あの、み、見ませんから!
呂布:・・・はい
(陳宮、自分に言い聞かせる)
陳宮:落ち着いて、落ち着いてやれば大丈夫
(陳宮、深呼吸をして気持ちを静めようとする)
陳宮:い、いきます!
呂布:・・・はい
(陳宮は左手で呂布の胸元を引っ張り、右手を突っ込む)
(陳宮は固く目を閉じたまま)
陳宮:ど、どこに・・・?
(陳宮は手を動かして袋を探す)
(すると手が呂布の胸をかすめる)
呂布:う・・・
(呂布、苦悶の表情)
陳宮:すいません! すぐ見つけますから!
陳宮:こ、この辺りでしょうか?
(陳宮、慎重に手を動かす)
(陳宮の手に柔らかい感触がする)
(呂布がピクリと震える)
呂布:・・・あ、う
陳宮:す、すいません
(陳宮は更に手を動かしてみる)
陳宮:おかしい・・・この辺りなのに
(陳宮の手が擦れる)
呂布:ん、んん・・・
陳宮:す すすす すぐに終えますから
(陳宮、一旦手を引っ込めて、考える)
陳宮:(手応えがありませんね・・・奥に入り込んでしまったのでしょうか)
陳宮:(裾(すそ)からやらないとだめかもしれませんね)
陳宮:す、すいません 下から調べてみます
呂布:・・・はい
陳宮:も、もちろん見ませんから
(陳宮、今度は呂布のヘソの方から服の中へ手を突っ込む)
(陳宮は徐々に右手を深く入れる)
陳宮(どこでしょうか)
陳宮:あれ?
(陳宮の指に小さな豆粒のような突起の感触がする)
呂布:・・・ぅ!
陳宮:(ん?これは・・・?)
陳宮:(香袋の結び目か紐の終端でしょうか?)
(陳宮、ホイールマウスを回すように人差し指の腹で突起を軽く擦ってみる)
呂布:あ・・んあ・・・ん
陳宮:(あれ?突起がだんだん硬くなったきたような・・・?)
(陳宮、不思議に思って突起を擦り続ける)
呂布:はぁ・・はぁ・・・ん、ん・・・
陳宮:(これは何でしょうか??)
(陳宮、突起を人差し指と親指で軽く挟むように触れてみる)
呂布:ンッ!
(その途端に呂布は今までよりハッキリと声をあげる)
陳宮:え? え!?
(陳宮、呂布の反応に驚いてつまんでしまう)
呂布:あッ、いぃ・・・んッ!
(その瞬間、呂布は背中をのけぞらせる)
(陳宮は呂布の尋常じゃない様子に気づいて目を開ける)
陳宮:呂布さん!?
(呂布は膝を震わせながらへたり込んでしまう)
(陳宮は服に手を突っ込んだままなのでそのまま下へ引っ張られる)
陳宮:とっとっと・・・うあっ
(陳宮、バランスを崩すが倒れこまずに何とか堪える)
(へたり込む呂布に陳宮が覆い被さるような形になる)
(その拍子に陳宮の掌全体が呂布の胸に当たる)
陳宮:す、すいません
陳宮:あの、大丈夫で・す・・・か・・・
(陳宮の眼前に呂布の顔が迫る)
(陳宮、硬直する)
(呂布の目は潤みきっており、熱っぽい視線で陳宮を見つめている)
(頬が赤く、息遣いも荒い)
(唇のアップ)
(口は半開きで、唇も艶っぽくピンク色に濡れている)
(呂布、ゆっくりと声を出さずにおぼろげながら口を動かす)
呂布:(ねえ・・・もっ・・・と・・・)
(言いながら呂布が陳宮の方に倒れこんでくる)
陳宮:おっと!?
(陳宮、どうにか呂布を支えるが抱きつく格好になる)
(結果的に陳宮の掌に呂布が胸を押し付けてくる)
(陳宮の掌全体に柔らかい感触、掌の中央辺りに突起のような感触がある)
陳宮:ん? あれは?
(陳宮、呂布の首にかかっている紐に気がつく)
陳宮:そうか! あれを引っ張れば!
陳宮:呂布さん、ちょっとの間だけ動かないで下さい
(陳宮、左手を伸ばして紐を掴もうとする)
(陳宮は呂布の身体を右手だけで支えようと少し力を入れる)
呂布:はぁ・・・ん
(陳宮、紐を掴むのに夢中で呂布が悶えている事に気づかない)
陳宮:もうちょっとで届きます・・・!
(陳宮、身体の位置をずらそうとする)
(姿勢が変わるので陳宮の右手に微妙な力加減が加わる)
呂布:はぁ・・あぁ・・あ・・
陳宮:もうちょっと・・・!
呂布:あ・・・はぁ・・・
(陳宮、紐を掴む)
陳宮:やった!
(陳宮、紐を引っ張り上げる)
(今までの悪戦苦闘が嘘のようにスルリと袋が出てくる)
(陳宮、そのまま呂布から香を外す)
陳宮:取れました! 取れましたよ、呂布さん!
呂布:あ・・あん・・・
(陳宮の掌全体に明らかに筋肉とは異なる柔らかい感触がある)
(陳宮、自分の右手が今何に触れているかやっと気づく)
陳宮:うおわわあぁ すすすすすすすいません!
(陳宮、慌てて手を引き抜く。支えを失った呂布の身体が傾く)
(陳宮、今度は呂布の肩を持って支える)
陳宮:ほ、本当にすいません!
呂布:はぁ・・・はぁ・・・
(呂布は香を外す前よりも息が荒くなっている)
(陳宮は香を厚手のビニール袋にいれ口を閉じる)
陳宮:こ、これでよし これは後で処分します
呂布:・・・
陳宮:だ、大丈夫ですか?
呂布:・・・は い
(呂布、返事はするが声に力が入っていない)
陳宮:えーと、まだ無理みたいですね・・・しばらく休みましょう
(呂布、陳宮に寄りかかったまま)
(二人とも沈黙し、呂布の息遣いだけがする)
(陳宮は落ち着かない様子で周囲に視線を泳がせる)
(横目で呂布を見ると相変わらず熱っぽい視線を陳宮へ向けている)
(陳宮、それを見てはまた動揺する)
(呂布の息遣いが徐々に落ち着いて来る)
(対照的に陳宮はこの状況に落ち着かずじっとしていられない)
陳宮:そ、そろそろ出ましょう あ、あまり長居はしてられません
呂布:・・・
(陳宮、立ち上がり、ドアに向かって歩き出す)
(陳宮、ドアの隙間から廊下を覗き見て安全を確認する)
陳宮:大丈夫そうです
(陳宮、リュックサックを胸側にかける)
陳宮:さあ、呂布さん こちらです
(陳宮、呂布の手を取って促す)
(呂布は陳宮に引かれてゆっくりと立ち上がる)
(陳宮は呂布に背を向けてしゃがむ)
陳宮:よっ・・・と!
(陳宮、呂布を背負う)
(陳宮は呂布がしっかり背中に乗ったか確認)
陳宮:さあ、行きますよ 少々乗り心地は悪いですが勘弁してくださいね
(陳宮、暗い廊下を自分が侵入し来た方に向かって足早に歩き出す)
(呂布、陳宮の背中で揺られている)
(呂布の意識が緩やかに回復してくる)
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シーン3 呂布のモノローグ
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(陳宮の背中でまだ夢うつつな感覚が抜けない呂布)
呂布:(あれ・・・わたし・・・なにやってるの・・・)
(呂布、まばたきをするが目はまだうつろ)
(呂布は何とか意識を集中して思い出そうとする)
呂布:(へんな、においがして・・・それから・・・)
呂布:(それから・・・なんかへんなきもちになって・・・)
呂布:(なにがなんだか・・・わからなくなって)
呂布:(そうしたら・・・だれかが・・・わたしに近づいてきて)
呂布:(すごく・・・いやなかんじだった)
呂布:(・・・でも・・・でも、だれかが・・・「助けに来ました」って)
呂布:(えーと・・・)
呂布:(そのあと・・・さわられて・・・)
呂布:(でも、なんか、いやじゃなかった・・・なんか、うれしかった)
呂布:(そうだ・・・いま、その人が、わたしを・・・はこんでる・・・)
呂布:(あなたは・・・だれ?)
(呂布、焦点の定まらない目で陳宮を見ようとするる)
(廊下が暗いので呂布には陳宮の顔はよく見えない)
呂布:(くらくて・・よくわからない・・・)
呂布:(でも、 わたし、この人しってる・・・?)
呂布:(うん・・・まちがいなくしってる・・・)
呂布:(せなか、あったかい・・・)
(呂布は陳宮の背に改めて身を預ける)
呂布:(・・・ずっといっしょにいてほしいな・・・)
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