「機動武将まじかる☆呂布リン!」
          第10話 『だいピンチ!ちりょくがたりない!(仮)』Aパート
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          シーン1 学校(廊下〜教室)
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          (時間は朝。廊下には登校してきた生徒達)
          (生徒達は談笑しながら各々教室に入っていく)
          (廊下には呂布の姿がある)
          (呂布、鞄を背負って登校。心なしか足取りが軽い)
          (呂布、教室の前まで来ると引き戸に手をかけ、開く)
          (戸はガラリと音がしてスライドする)
          (呂布は大きな声で挨拶)
          呂布:おっはよ〜!

          (先に来ていた生徒達が挨拶を返す)
          生徒A:おはよー
          生徒B:あ、ほーちゃんだ おはよー
          (呂布はそのまま自分の座席へ向かい、鞄を机に降ろす)
          (呂布は隣の席を見る。まだ陳宮は登校していない)
          呂布:(まだきてないみたいね)
          呂布:(陳宮クンがきたら、ハンカチかえそう)
          (呂布は椅子に座って鞄から勉強道具を出す)
          (呂布、ふと手を停める)

          呂布:(あ、でもなんていってかえそうかな)
          呂布:(『ハンカチありがとう』でいいかな でもシンプルすぎてそっけないかしら)
          呂布:(『陳宮クン、わたしのためにハンカチをかしくれてありがとう!』)
          呂布:とかいったほうがいいのかな こう、りょうてでもってさしだすようにして
          (呂布、独り言を言いながら動作を実演してみる)

          (その様子を見ていた生徒A、後ろから話しかける)
          生徒A:ね、ねぇ ほーちゃん、どうしたの?
          (呂布、驚いて飛び上がる)
          呂布:ひゃんっ!?
          生徒A:きゃぁ!
          (生徒Aも呂布の反応に驚く)
          (呂布、振り返って動揺したまま答える)
          呂布:なななななな なに!?
          生徒A:何かブツブツ言ってるけど、どうしたの
          呂布:え! わ、わたし、なんかいってた?
          生徒A:うん・・・

          (呂布、照れくさそうに笑う)
          呂布:あは あはははは な なんでもないから
          生徒A:ふぅん・・・ま、元気そうだからいいかな
          呂布:ふぇ? どういうこと
          生徒A:うん、この前は溜め息ばっかりだったけど、今日はすごく楽しそうだ
             なって思って・・・
          呂布:そ、そうかなぁ
          生徒A:うん

          (教室の引き戸がガラリと開く)
          (音に気付いて戸の方を見る呂布と生徒A)
          (陳宮、教室に入ってくる)
          (自分の席に向かいながらクラスメイトと挨拶を交わす陳宮)
          (陳宮は席に鞄を置きながら呂布に挨拶)
          陳宮:あ、おはようございます
          呂布:お おはよっ
          生徒A:おはよう

          (陳宮、自分の席に座り鞄から教科書等を取り出し始める)
          (その様子を見ている呂布)
          (生徒A、小声)
          生徒A:ほーちゃん、陳宮くんに何か用事があるんでしょ?
          呂布:え、う うん・・・でも・・・

          (呂布、陳宮と生徒Aを交互に見る)
          生徒A:私はいいから、用事、すませちゃいなよ
          呂布:う・・・わかった
          (呂布、深呼吸して陳宮に声をかけようとする)
          呂布:あの・・・
          張遼:お、おはよっ! 陳宮くんっ!

          (張遼の声が呂布の呼びかけ遮る)
          (いつの間にか登校していた張遼)
          (張遼は今教室に着いたばかりという感じで鞄を背負って立っている)
          (陳宮は呂布の呼びかけには気付かずに張遼の方を向く)
          陳宮:おはようございます
          (陳宮、微笑を浮かべて挨拶を返す)
          張遼:う、うん
          (張遼も笑みを返す。いつものアイドルスマイルではない、柔らかい笑顔)
          (陳宮、机に向き直る)
          (張遼、陳宮にちょっかいを出す事なく、おとなしく自分の座席に座る)

          (呂布、張遼の変化に気付く)
          呂布:(あれ? なんか、張遼さんいつもとちがう?)
          (呂布、首を傾げ頬に人差し指を当てて考える)
          呂布:(いつもなら、もっと陳宮クンにちょっかいかけてくるはずなのに・・・へんね)
          (呂布が思案していると予鈴が鳴り、教室の引き戸が開く)
          (教師、手に持った出席簿を叩きながら入って来る)
          教師:はーい 皆、席に着いてー!

          呂布:(あっ! しまった!)
          呂布:(かんがえているあいだにいいそびれちゃった・・・)
          呂布:(しょうがない・・・あとにしよう)


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          シーン2 授業中の教室
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          (教師、教科書を朗読しながら黒板の前を左右にゆっくり歩く)
          教師:それで、このような数を「仮分数」と言います。そして仮分数の分子を分
             母で割った・・・

          (普通に授業を受けている陳宮)
          (陳宮、時々ノートに授業内容を書いたり、教科書を読んだりしている)

          (一方呂布は何か別の事を考えている)
          (手に持ったシャーペンを回したり、ノートを指先で叩いたりしている)
          呂布:(なんか、ちがうのよね でもなんだろう?)

          (呂布、陳宮と張遼を交互に見る)
          呂布:(しずかっていうか、なんていうか・・・)

          (呂布が見ている側から張遼は消しゴムを落とす)
          (落ちた消しゴムは陳宮の座席まで転がっていく)
          (陳宮の足にぶつかる消しゴム)

          陳宮:(ん?)
          (陳宮、自分の足元を見て、消しゴムを発見)
          (陳宮、手にとって消しゴムを眺める)
          陳宮:(誰かの落し物でしょうか)

          (そこへ張遼が遠慮がちに声をかける)
          張遼:あの・・・それ私が落としたの
          陳宮:そうですか はい、どうぞ
          (陳宮、張遼へ消しゴムを手渡す)
          (陳宮の指が張遼の掌に触れる)

          張遼:あ・・・
          陳宮:どうしました?
          張遼:あ 何でない ありがとう
          陳宮:いえ

          (黒板に向き直る陳宮。おとなしく引き下がる張遼)
          (張遼、無言で自分の掌を恥かしそうに見つめている)
          (その一部始終を見ていた呂布)

          呂布:(あれ? 張遼さんがおとなしくしてる?)

          (呂布は小さく手を打つ)
          呂布:(あ そういえば!)
          呂布:(いつもはもっと陳宮クンとべたべたするのに、きょうはぜんぜんしてない?)
          呂布:(このあいだまで陳宮クンにだけ、たいどがちがってたけど・・・)

          (呂布は腕を組んで首を傾げる)
          呂布:(ううん、きょうもちがうんだけど、きょうはもっとしぜんなかんじがする)
          呂布:(いったいどういうことなの?)

          (張遼、まだ掌を見ている。ほんのりと頬が赤い)
          張遼:(・・・陳宮クンの指、触っちゃった・・・)


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          シーン3 昼休み
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          (昼食を食べ終わり、クラスメイトと談笑している陳宮)
          (人だかりに囲まれ、アイドルのスマイルで応対している張遼)
          (呂布、自分の鞄からハンカチを取り出し、陳宮の方へ歩み寄る)

          (呂布、陳宮に話し掛ける)
          呂布:あの、陳宮クン ちょっといいかしら
          (陳宮、呂布方へ振り返る)
          陳宮:あ、はい

          (陳宮、談笑してたクラスメイトに一言)
          陳宮:すいません、ちょっと失礼します

          (陳宮、改めて呂布に向き直る)
          陳宮:どうも、お待たせしました 僕にご用ですか?
          呂布:えっとね、これをかえしにきたの

          (呂布、おずおずと両手でハンカチを差し出す)
          呂布:はい これ、このあいだのはんかち どうもありがとう

          (ハンカチは綺麗に洗濯されている)
          陳宮:これはあの時の・・・洗ってくれたんですか?
          呂布:うん・・・よごしちゃったのわたしだし
          陳宮:ありがとうございます
          呂布:ううん、いいの

          (陳宮、ハンカチに手を伸ばしかけて、止める)
          (陳宮、ハンカチにしわがない事に気付く)
          陳宮:あれ? もしかしてアイロンまでかけてくれたんですか?

          (呂布、照れ臭そうにもじもじとしながら答える)
          呂布:あ、うん わたし、へたっぴだからあんまりきれいじゃないかも・・・ごめんね
          陳宮:いえ、そんな事ありませんよ すいません、お手間をかけさせてしまって
          呂布:ううん わたし、おせんたくとかけっこうすきだから、ぜんぜんへいきよ

          (陳宮、改めてハンカチに手を伸ばす)
          (呂布、ハンカチを差し出す)
          (ハンカチを握ろうとした陳宮の手が呂布の手と触れる)
          陳宮:あ・・・
          呂布:あ・・・

          (二人とも頬が赤くなる)
          (呂布、陳宮の顔を見る)
          (陳宮も呂布を見返す)
          (しばらくお互いに固まったままになる)
          呂布:・・・
          陳宮:・・・

          (二人とも突然我に返る)
          (陳宮、慌てて手を引っ込めて、天井を向く)
          陳宮:す、すいません!
          (呂布、自分の両手で小さく握って俯く)
          呂布:え い、いいの・・・

          (呂布と陳宮の様子を人垣の隙間から複雑な表情で見ている張遼)
          張遼:・・・
          生徒β:どうかしたの?
          張遼:え・・?
          生徒γ:それで、どう思う?
          張遼:ご、ごめんなさい もう一回言ってくれる?
          (張遼に改めて語りかける生徒達。適当に相槌を打つ張遼)
          張遼:え、うん そうねぇ・・・
          (張遼はスマイルだが、陳宮に見せた笑顔と明らかに異なる)


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          シーン4 放課後(昇降口・下駄箱)
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          (放課後の昇降口、生徒の姿がまばらにある)
          (そこへ呂布と生徒Aが一緒にやって来る)
          (背中に通学用の鞄を背負っている)
          生徒A:ちょっと遅くなっちゃったかな
          呂布:そうでもないよ おそうじ、けっこうはやくおわったし
          生徒A:これからどうしよっか?

          (呂布、歩きながら伸びをする。両腕を上に伸ばし、空を仰ぎ見る)
          呂布:ん〜、そうね・・・あれ?
          生徒A:どうしたの

          (呂布、くんくんと鼻を鳴らす)
          呂布:なんか、あめのにおいがする
          生徒A:え?

          (生徒Aも呂布の真似をして匂いを嗅いでみる)
          (生徒A、空を見る)
          (空には特に雨の気配はない)
          生徒A:そう? 私、よく判らないなあ
          呂布:もしかしたら、あめがふるかもしれないよ はやくかえりましょ

          (下駄箱の前にやって来る呂布と生徒A)
          (呂布と生徒A、各々自分の下駄箱を開いて上履きと履き替えようとする)

          (呂布が下駄箱の蓋に手をかけ、開くと中から白い封筒が落ちる)
          (封筒は呂布の足元へ)
          (封筒に気がつく呂布)
          呂布:あら?

          (呂布は靴を履き替えながら封筒を手に取る)
          呂布:なにかしら これ?

          (呂布、封筒を裏返して何か書かれていないか調べる)
          (封筒には何も書かれていない)
          (呂布の様子に気付く生徒A)
          生徒A:ほーちゃん?

          (生徒A、呂布が手に持っている封筒を見る)
          生徒A:なにそれ?
          呂布:なんだろう?
          (封筒を開く呂布。中には手紙が入っている)
          (呂布、ガサガサと手紙を開いて読んでみる)

          呂布:・・・
          生徒A:どうしたの? あっ もしかしてラブレター?
          (生徒A、ふくみ笑いをする)
          生徒A:へぇ〜、ほーちゃんもやるじゃない で、相手は誰? あ、もしかして・・・
          (呂布、生徒Aの方へ振り返る。訴えるような目)
          呂布:あう〜 それが・・・
          生徒A:どうすんの? 断る気?
          慮グ:ちがうの むずかしくてよめないの
          生徒A:あらら

          (生徒A、苦笑い)
          生徒A:しょうがないわね 私が代わりに読んであげよっか?
          呂布:うん・・・おねがい

          (生徒A、呂布から手紙を受け取る)
          生徒A:えーと、なになに・・・
          (生徒Aが手紙を開く)
          (手紙には非常に達筆な文字でなにやら書いてある)
          (単体の文字として読める個所も一部あるが、余りにも達筆すぎて文章全体と
          しては読めない)

          生徒A:んん? 何これ?
          呂布:わかんない
          生徒A:ごめん、私も読めない・・・
          (生徒A、頭を掻いて呂布に手紙を返す)
          呂布:ふぇ〜

          (頭を寄せ合って考え込む呂布と生徒A)
          呂布・生徒A:うーん・・・

          (そこへタイミングよく校舎の中から張遼がやって来る)
          張遼:あら? どうしたの二人とも
          呂布:あっ 張遼さん
          生徒A:張遼さんも今、帰り?
          張遼:ええ、そうよ

          呂布:あ、そうだ ねぇ、張遼さん
          張遼:なに?
          呂布:あのね、このおてがみ、よめる? わたしにはむずかしくてよめないの
          (呂布、張遼に手紙を渡す)

          張遼:(よし、予定通り)
          (張遼、呂布から受け取った手紙を開く)
          張遼:えーと、何々?

          (今度はそこへ陳宮がやって来る)
          (陳宮、下駄箱に近づいてくる)
          (陳宮、呂布たちの姿を見つける)
          陳宮:(あれ? 呂布さん達はまだ帰ってなかったみたいですね ん?)
          (陳宮、張遼が呂布と一緒にいる事に気付く)
          陳宮:(張遼さんが呂布さんと一緒?)


          生徒A:どう? 読める?
          張遼:あ、何とか読めそう・・・

          (呂布、陳宮の姿に気付く)
          呂布:あ、陳宮クン!
          (その言葉を聞き、張遼は驚いたように振り返る)
          張遼:あ・・・
          (張遼、何故かとまどった面持ちになる)
          呂布:陳宮クン、いまかえるところ?
          張遼:(しまった! 陳宮くんが来るなんて)


          陳宮:(張遼さんがいますね 何かあったのでしょうか)
          (陳宮、下駄箱から靴を取り替えながら答える)
          陳宮:ええ そうです 皆さんも帰りですか
          呂布:かえるところだったけど、ちょっとね
          陳宮:どうしたんですか?
          呂布:それが、なにかむずかしいてがみがきてたの
          陳宮:手紙ですか
          呂布:うん それで張遼さんによんでもらおうとおもって

          (陳宮、張遼を見る)
          陳宮:張遼さんが?
          (張遼、ぎこちなく返事)
          張遼:え、ええ・・・
          呂布:それでなんてかいてあるの?

          (張遼は呂布に促され改めて手紙を読む)
          (張遼の表情が緊張する)
          張遼:(まずいわね 陳宮くんがいるのに)
          張遼:(でも読まないと怪しまれるし・・・仕方ないわね)

          張遼:えーと・・・『現況に於我と貴君の対立を、我誠に遺憾に思う処也。か
             ような事態を招きし要因について我熟考すれば、其の源は互いの誤解に
             よる見解の相違にありとの結論を得たり。
             貴君と戦を交えるは我が本意にあらず。我、今後貴君との無用の衝突を
             避け、供に栄えん処を欲す処也。以って貴君と改めて縁を結び直したく
             我と貴君との交渉の座を用意して候。
             若し貴君に騒乱を安んじたもう志、この旨に応ずる意思あらば建設予定
             地跡来られたし。 董卓仲頴』
          (呂布と陳宮、最後の名前を聞いて驚く)
          呂布:え!?
          陳宮:(え!?)
          生徒A:え? なにそれ?

          (張遼、一気に読んで大きく息をつく)
          (張遼、相変わらず気まずい表情)
          張遼:こ これで全部かな
          (呂布、動揺している)
          呂布:そ、そうなの ありがとう
          (呂布、張遼から手紙を受け取る)

          (生徒A、事情を知らない為普通に訊ねる)
          生徒A:ねえ、その手紙 何の事を言ってるの?
          (呂布はどうにか誤魔化そうとする)
          呂布:え! えーと、それは・・・
          呂布:(どうしよう? なんていおう?)

          (陳宮、すかさずフォローを入れる)
          陳宮:うーん、誰かと間違えられたんじゃないですかね・・・内容も訳が解りませんし

          (呂布、陳宮に話を合わせようとする)
          呂布:あっ そそ そうね! うん、きっとそうだよ!
          生徒A:え〜、そうかなぁ〜?

          (陳宮、チラリと張遼を見る)
          陳宮:(探りを入れてみましょうか)
          陳宮:張遼さんはどう思いますか?

          (張遼、突然話を振られ、動揺する)
          張遼:え!? あ、えーと うん、そうかも知れなくもない・・・かも?
          生徒A:ふーん 張遼さんも同じ意見かぁ

          呂布:あ、そうだ!
          (呂布、唐突に両手を叩く)
          呂布:ごめん わたし、ちょっとようじをおもいだしちゃった すぐいかなきゃ!
          生徒A:あ、そうなの? じゃあまたあしたね
          呂布:うん! それじゃね、みんな!
          (呂布、そう言い残し走り出す)
          (一旦、立ち止まり振り返って3回手を振り、再び走り出す)

          (呆然と見送る生徒A)
          生徒A:行っちゃった・・・ほーちゃん、どうしのかしら
          陳宮:すみません、僕も用事があるのでこれで失礼します では
          (足早に走り去る陳宮)
          生徒A:あ、うん さよなら

          (無言で見送る張遼)
          張遼:(これで、陳宮くんが呂布さんに協力してる事がはっきりしたわ)
          張遼:(そして多分、私の正体も気づかれた・・・)
          (張遼、複雑な表情)


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          シーン5 放課後(学校の裏手)
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          (呂布、校門を抜けそのまま学校の裏手へ回る)
          (周囲に人影がないのを確認して呂布はポケットから呼び笛を取り出す)
          呂布:ここならきっと、だいじょうぶね

          (呂布は大きく息を吸い込むと笛を咥える)
          (呂布、笛を思い切り吹く。人間には聞こえない音が響く)
          呂布:〜〜〜〜〜〜っ!!

          (すぐにどこかから蹄の足音が聞こえる)
          (呂布、耳を済ませる)
          呂布:もしかして 赤兎ちゃんがきたのかな?
          赤兎:そうよ
          呂布:きゃあっ!?

          (赤兎、いつの間にか呂布の隣に居る)
          呂布:あー びっくりした・・・
          (呂布、胸を撫で下ろす)
          赤兎:そんな事より ほーちゃん、どうしたの?
          呂布:あっ そうだった! 赤兎ちゃん、これよんで!

          (呂布は赤兎に手紙を見せる)
          呂布:(しまった! 赤兎ちゃんにはむずかしくて、よめないかも!)

          (赤兎、手紙を一読する)
          赤兎:成る程、そういう事ね
          呂布:ふぇ? も、もしかして、赤兎ちゃん・・・これ、よめるの?

          (赤兎、さも当然のように答える)
          赤兎:え? ええ、そうだけど・・・どうかしたの?

          (呂布、ちょっとショックを受ける)
          呂布:ううん・・・なんでもない
          (呂布、溜め息を漏らす)
          呂布:はうー・・・
          呂布:(もっとべんきょうしなくちゃだめね・・・)

          赤兎:ねえ ほーちゃんは行くつもり?
          呂布:うん
          赤兎:たぶん罠よ あいつが自分から停戦したいなんて言う筈ないわ
          呂布:やっぱりそうかな
          赤兎:そうよ 多分、部下をいっぱい潜ませて襲い掛かろうとするに違いないわ
          呂布:でもね、わたし、ほうかんがえたの
          (呂布、一旦言葉を区切る)

          呂布:これって、もしかして ちゃんすかもしれない
          赤兎:チャンス?
          呂布:うん おもいきってとびこめば、なにかつかめるかも・・・
          赤兎:うーん
          呂布:どうかな?

          (赤兎、しばらく黙って考え込む)
          呂布:・・・
          赤兎:(どうしよう? でも罠だとしても、ほーちゃんの武力とあたしの脚力
             なら何とか逃げ出せるかしら・・・?)
          赤兎:(いや、仮に恆が部下を引き連れてきてれば逆に一網打尽にできるかも)
          赤兎:(普通の人なら危険な賭けだけど、ほーちゃんの武力なら、まず大丈夫・・・)

          (赤兎、口を開く)
          赤兎:解ったわ、行ってみましょ でもイザという時の為、あたしも一緒に行
             くわ!
          呂布:うん! ありがと!

          (赤兎、呂布に背中を向ける)
          赤兎:さあ、乗って!
          呂布:うん!
          (呂布、赤兎に飛び乗る)


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