「機動武将まじかる☆呂布リン!」
          第11話 『ちんきゅうクンとだいせっきん!?(仮)』Aパート
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          シーン1 自宅(呂布の自室)
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          (時間は朝。呂布の部屋に窓からカーテン越しに日の光が差し込んでいる)
          (静かな)
          (赤兎も呂布の寝床の近くでうずくまって寝ている)
            ↑※本物の馬は違うはずなので、演出の一つという事でお願いします
          (呂布は寝ているが、頭を奥に向けているので画面には後頭部しか映らない)
          (部屋の中は静かである)

          (呂布、突如寝返りを打つ。顔が画面側に映る)
          (呂布の目は開いており、明らかに起きている)
          (呂布は何故か困ったような表情をしている)

          (呂布、赤兎をチラリと見る)
          呂布:(赤兎ちゃんはよくねてるみたいね)

          (呂布の枕もとの目覚まし時計がアップになる)
          (時計の時刻が7:00になる。同時に電子音が鳴り始める)
          呂布:はぁ〜 あさになっちゃった

          (呂布、布団から手を伸ばし時計を止める)
          (呂布はむくりと上半身を起こす)
          呂布:・・・だめ とうとうぜんぜんねられなかった

          (呂布、溜め息をついて布団から抜け出る)
          呂布:はぁ〜・・・がっこうにいかなきゃ・・・

          (赤兎、呂布の起きた気配に気付き目を覚ます)
          赤兎:ふわぁああぁ・・・あー、ほーちゃん おはよう・・・
          呂布:あ・・・赤兎ちゃん、おきたんだ おはよぉ〜
          赤兎:あら? ほーちゃん 何だか疲れた顔してるけど
          呂布:うん ちょっとね よくねむれなくて・・・
          赤兎:大丈夫?

          (呂布、両手で小さくガッツポーズ)
          呂布:うん へーき! きがえて、がっこういくね
          赤兎:そう・・・余り無理はしないでね
          呂布:うん わかってる ふわああぁぁ・・・
          (呂布、大あくび)


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          シーン2 学校(教室)
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          (教室は授業中。教師が黒板に向かっている)
          (時計は午前9時を少し過ぎた辺り)
          (黒板には教材用の大きな地図が貼り付けられている)
          (教師は地図を指差しながら教科書を読んでいる)

          教師:・・・で、こんな風に川が流れていると長い間に上流から流された砂が
             堆積、つまり積もっていってこのような三角形の形をした・・・

          (生徒達は教科書を読んだり黒板を見たりしている)
          (各々自分の座席に座っている呂布・陳宮・張遼)

          (陳宮、教科書を読んでいる)
          (張遼は教科書を読みつつ、時々横目で陳宮を見る)
          (呂布は頬杖をついてぼんやりしている)

          (呂布、教科書で顔を覆って大欠伸をする)
          呂布:ふわぁああぁ・・・
          (呂布、眠そうに目をこする)
          呂布:(やっぱり、ねむい・・・)

          (呂布は再び頬杖をついて、ぼんやりとする)
          呂布:(あれはまちがいなく、陳宮クンのはんかちだった)
          呂布:(でも、なんであんなところに?)
          (呂布、また教科書で顔を隠す)
          呂布:ふわああぁあ・・・

          呂布:(それに董卓は、なぜか張遼さんのことをしってたし・・・)
          呂布:(いったいなんでかしら)
          呂布:ふわああぁあ・・・

          呂布:(ゆうべはそのことばっかりかんがえて、ぜんぜんねむれなかった・・・)
          呂布:(わたし あたまをつかうのは、にがてなのに)

          (呂布、頭を垂れる)
          呂布:(なんか きゅうに・・・ねむくなってきちゃった)

          (呂布は急に目が閉じてくる)
          呂布:(あー なんか・・・めのまえが くらくな って き・・・)
          (呂布、パタリと机に突っ伏す)

          (生徒A、その様子をすぐ後ろの座席から見る)
          (生徒A、呂布に小声で話し掛ける)
          生徒A:ほーちゃん、授業中だよ まずいよ
          (生徒A、後ろから呂布を軽く揺するが反応がない)

          生徒A:ほーちゃんってば ほら、起きて
          (生徒A、先ほどより力を込めて呂布の身体を揺する)
          (すると呂布の身体が傾く)
          生徒A:えっ?
          (呂布の身体はゆっくりとバランスを崩していく)

          (呂布、椅子から滑り落ちてそのまま床に倒れる)
          (『ドサリ』と呂布が倒れる音)
          生徒A:きゃっ!?

          (生徒Aの声に気付く陳宮)
          陳宮:(ん?)

          (陳宮、呂布と生徒Aの方を見る)
          陳宮:どうかしましたか?

          (陳宮の視界に倒れている呂布が入る)
          生徒A:あの ほ、ほーちゃんが!
          (生徒A、倒れている呂布を指差す)
          (呂布、ピクリとも動かない)

          (陳宮、すばやく座席を離れ呂布の側にしゃがみ込む)
          陳宮:呂布さん!?

          (陳宮、呂布を抱きかかえる)
          (呂布は目を閉じたまま)
          (陳宮、緊張した表情で呼びかける)
          陳宮:呂布さん! どうしたんですか! 呂布さん!
          (陳宮、軽く頬を叩いてみる)
          (呂布、反応しない)
          生徒A:ど、どうしよう

          (陳宮、呂布の顔をまじまじと見る))
          陳宮:あ、もしかして・・・
          (慌てる生徒A)
          生徒A:あわわ・・・ほ、ほーちゃん!?


          (他の座席が近い他の生徒も呂布の様子に気付く)
          生徒B:何かあったの?
          生徒A:えーと、そ それがね
          陳宮:すいません、ちょっとの間でいいので静かにして下さい
          生徒A:う、うん
          生徒B:解った

          (陳宮、耳を澄ませる)
          (生徒A、緊張した表情)
          (呂布が規則的に呼吸している音が聞こえる)

          (陳宮、安堵した表情になる)
          陳宮:これは・・・寝ているだけですね
          生徒A:は・・・? 寝てる、だけ?
          陳宮:はい 間違いありません
          生徒A:そうかぁ 良かったぁ あー驚いた

          陳宮:それにしても呂布さん、どうしたんでしょうか・・・?
          (生徒A、ポンと手を打つ)
          生徒A:あ、そう言えば
          陳宮:何か思い当たる節がありますか
          生徒A:えっとね、朝 ほーちゃんがね、言ってたの 『昨夜は全然眠れなか
              った』って
          陳宮:そうですか
          (陳宮と生徒A、改めて呂布の寝顔を見る)
          (呂布はスヤスヤと寝息を立てている)

          (陳宮と生徒Aは苦笑い)
          陳宮:うーん・・・寝かせておいてあげますか
          生徒A:そうね・・・
          生徒B:ね、ほーちゃんはどうしたの?
          生徒A:それがね・・・

          (教師、やっと騒ぎに気付く)
          (教師、黒板から生徒側へ身体を向き直す)
          教師:騒がしいけど、何かあっ・・・あっ!

          (教師呂布を抱えている陳宮に駆け寄る)
          教師:これは一体?
          (生徒A、オロオロして陳宮を見る)
          生徒A:あ、これはですね、その・・・
          (陳宮、途中で口を挟む)
          陳宮:呂布さんはどうも気分が優れなかったみたいです 保健室で休ませてあ
             げたいのですが
          教師:では、そういう事なら保健室へ運んであげなさい えーと保険委員は?
          (教師は教室内をキョロキョロと見渡す)

          生徒B:あの、今日は風邪でお休みです
          教師:あ そう言えば・・・
          生徒A:先生、陳宮くんが運んであげればいいと思います
          生徒B:それに今丁度、陳宮くんが呂布さんを抱えています
          教師:なるほど・・・

          (教師、陳宮に向かって申し訳なさそうに言う)
          教師:ちょっと頼んじゃっていいかな?
          陳宮:あ、はい わかりました

          (生徒Aと生徒B、陳宮にウィンクする)
          (陳宮、ウィンクに気付いて少し赤くなる)
          陳宮:そ、それじゃあちょっと い、行ってきます

          (生徒A、Bは小声で陳宮に話し掛ける)
          生徒A:頑張ってね
          生徒B:うふふ
          陳宮:か、からかわないで下さい

          (陳宮、呂布を背負う)
          (陳宮は教室を出ようと引き戸の取っ手に片手をかける)

          張遼:あの、先生! ちょっといいですか?
          (突如、張遼が立ち上がる)
          教師:ん? どうかした?
          張遼:陳宮くん一人じゃ大変だろうから、私もお手伝いします!

          (張遼、力説する)
          張遼:引き戸を開ける時とか陳宮くんは両手が塞がったままなので大変です
             だから私も行きます!
          教師:わかった じゃあ2人で保健室まで運んで
          張遼:はいっ

          (陳宮の側へ駆け寄る張遼)
          (張遼は陳宮の背中で寝ている呂布を見る)
          張遼:(陳宮くんと呂布さん・・・か)
          (張遼は複雑な表情を浮かべる)

          (張遼、陳宮に呼びかける)
          張遼:・・・それじゃ、行こ?
          陳宮:あ、はい

          (張遼が引き戸を開ける)
          (教室から出て行く陳宮、張遼、呂布)
          (呂布はスヤスヤと安らかな寝顔)


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          シーン3 学校(廊下・保健室へ向かう途中)
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          (陳宮、呂布を背負って歩いている)
          (陳宮の隣には張遼が並んでいる)
          (呂布は陳宮の背中で眠っている)

          張遼:重くない? 手伝おうか?
          陳宮:いえ、それには及びません 慣れてますし
          張遼:あ そう・・・なんだ
          (張遼、戸惑った表情で横目で陳宮を見る)

          (無言で歩く陳宮と張遼)
          陳宮:・・・
          張遼:・・・

          (やがて張遼、意を決した様に陳宮に話し掛ける)
          張遼:あのさ、聞いてもいい?
          陳宮:そうですね・・・まあ・・・
          (陳宮、煮え切らない返事)

          張遼:あのね
          陳宮:あ、いや、ちょっと待って下さい
          (陳宮、今は呂布が一緒にいる事を張遼に目配せする)
          陳宮:今は、その・・・

          (張遼、呂布を見る)
          張遼:あ、うん・・・そうね・・・
          陳宮:すみません
          張遼:ううん 謝らなくていいの

          呂布:う うーん・・・
          (呂布、寝ぼけて身体を動かす)
          (呂布の身体が陳宮の背中から僅かに傾く)
          張遼:あ、呂布さんが
          陳宮:おっと 気をつけないといけませんね
          (張遼、呂布の身体を横から支える)
          張遼:陳宮くん、ちょっと背負い直して 私、支えるから
          陳宮:あ、はい ありがとうございます
          (陳宮、身体を揺すって呂布を背負い直す)
          陳宮:これでいいですか?
          張遼:うん いいみたい、かな

          (呂布、揺すられた拍子で半分目が覚める)
          呂布:(え・・・ここは・・・どこ?)

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          シーン4 学校(廊下・呂布のモノローグ)
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          (呂布、陳宮の背中で寝ぼけている)
          呂布:(あれ・・・わたし どうしたのかな)
          呂布:(たしか きょうしつにいたはずなのに)

          呂布:(そうだ きゅうにねむたくなって)
          呂布:(それで めのまえが、まっくらになったんだっけ・・・)

          呂布:(なんか、あったかいな)
          呂布:(あれ、このかんじ・・・これ、まえにもあったよね?)

          呂布:(なんだっけ おもいだせそうなのに)
          呂布:(ねえ あなた、だれ?)
          呂布:(わたし、しってるよね? あなたのこと)

          呂布:(あなたはまえにも わたしを たすけてくれたよね?)
          呂布:(それで、あのときも わたしを はこんでくれたよね?)

          (呂布の脳裏に一瞬だけ人間のシルエットが浮かぶ)

          呂布:(そっか・・・ やっとおもいだ し た・・・)

          (呂布、再び眠りに落ちていく)


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          シーン5 学校(保健室その1)
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          (引き戸の前に立っている陳宮と張遼)
          (『保健室』とかかれたプレートが引き戸の上方に掛かっている)

          (陳宮、振り向いて肩越しに呂布の様子を見る)
          (呂布は安心したような寝顔)
          陳宮:よく眠っているようですね
          張遼:うん・・・そう、ね・・・
          (張遼、寂しそうな表情で呂布を見る)
          張遼:(陳宮クンは、やっぱり呂布さんがいいのかな・・・)

          陳宮:すいません、張遼さん ノック、お願いできますか?
          張遼:・・・
          陳宮:あの 張遼さん?

          (張遼、陳宮の声で我に返る)
          張遼:え?
          陳宮:どうかしましたか
          張遼:ううん、ゴメンね それで何かしら?
          陳宮:保健室の扉、ノックをお願いします
          張遼:あ、うん
          (張遼、引き戸をノックする)

          (コンコン)

          張遼:失礼しまーす
          (張遼、引き戸の取っ手に手をかけ開く)
          張遼:すいませーん・・・ってあら?
          (張遼、保健室の中を見渡す)

          (張遼に続いて陳宮も入室する)
          陳宮:失礼します 張遼さん、何かありましたか?
          張遼:それが保健室の中、誰もいないのよ
          (張遼、困ったように肩をすくめる)

          (陳宮、脇の壁を見る。ホワイトボードが掛かっている)
          (ボードに『かいぎちゅうです しばらくすればもどります』とペンで書いてある)
            ※↑『低学年向けに書き残した』という事で平仮名でお願いします

          陳宮:ふーむ 会議みたいですね
          張遼:あ、ほんとだ
          陳宮:仕方がありませんね 勝手にベッドを使わせて貰いましょう
          (陳宮、部屋の奥に並べてあるベッドへ向かう)
          (張遼、その後を追う)

          (保健室の奥には空いたベッドが2床並んで置いてある)
          (ベッドの枕元と足元に金属の柵があり何の飾り気もない)
          (柵は表面のペンキが剥がれかけ、所々赤錆が浮いている個所がある)
          (敷き布団には白いシーツが敷かれ、その上に半分折りたたまれた状態で掛け
           布団が乗っている)
          (天井にはベッド囲むようにカーテンレールが設置されている)
          (レールからは畳まれた状態で少し黄ばんだ白いカーテンが左右にぶら下がっている)

          陳宮:それじゃ 張遼さん、降ろしますよ?
          張遼:いいわ どうぞ
          (陳宮、ベッドに背を向け呂布を降ろしにかかる)
          陳宮:よっ・・・と
          (張遼、呂布の身体を支えて陳宮を手伝う)
          張遼:そのまま降ろしていいわよ
          陳宮:はい
          (張遼、陳宮の背から呂布が降ろし、ベッドに寝かせる)
          張遼:いいわよ じゃ、陳宮くんはちょっと出てね?

          (張遼、陳宮の背中を押しやってベッドから少し距離を離す)
          (押される陳宮)
          陳宮:なんですか?
          (張遼、ぶら下がったカーテンを持って、引く)
          (『ジャッ』と言うカーテンレールを滑る音)
          (張遼、呂布のベッドを天幕のようにカーテンで覆ってしまう)
          陳宮:あの、張遼さん?
          張遼:すぐすむから、待って あ、それから陳宮くんは入っちゃダメよ?
          (張遼、カーテンの内側に入ってしまう)

          陳宮:ちょっと、張遼さん!?
          (張遼、カーテンの合わせ目から顔だけ出す)
          張遼:なに? 静かにしないと呂布さん起きちゃうわよ
          (陳宮、緊張した顔)
          陳宮:何をするつもりですか?

          (張遼、呆れたように溜め息をつく)
          張遼:もぉ〜 こういうのは鈍いんだからぁ〜
          陳宮:えっ?
          張遼:襟元とか服を緩めてあげるの 呂布さんの
          陳宮:あ ああ、なるほど
          張遼:だから入っちゃダメ
          陳宮:しかし・・・

          張遼:何もしないわよ
          (張遼、ちょっと落胆したような表情になる)
          張遼:私は・・・もう
          陳宮:いえ、わかりました お願いします
          張遼:うん
          (張遼、再びカーテンの内側に入る)


          (カーテン越しに会話する陳宮と張遼)
          (張遼、呂布の服を緩めながら話す)
          (カーテンには陳宮のシルエットが映っている)
          張遼:ねぇ 陳宮くん
          陳宮:はい?
          (張遼、呂布の胸元を緩める)
          張遼:中から締め出されて残念だった?
          陳宮:そんな事はありませんよ
          張遼:ほんとに? 私がついて来なかったら今頃は陳宮くんが呂布さんの服を
          (陳宮、慌てて途中で張遼の言葉をさえぎる)
          陳宮:そ、そんな事ありませんよ! 何言ってるんですか!
          張遼:うふふっ

          (張遼、ふいに寂しそうな表情)
          張遼:・・・それとも
          (張遼、小さく呟く)
          張遼:私って、陳宮くんにとって邪魔者・・・?
          陳宮:何ですって? よく聞こえなかったんですが・・・
          張遼:独り言 気にしないで
          陳宮:とにかく、一緒に来てくれて良かったと思ってますよ 本当に
          (張遼の手がピタリと止まる)
          張遼:えっ・・・?
          (張遼、俯いて頬がちょっと赤くなる)

          張遼:ま、まあ せいぜい感謝してね
          (張遼、再び手を動かす。呂布に布団を掛ける)
          張遼:さあ、これでよしっと

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          シーン6 学校(保健室その2)
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          (張遼、カーテンの中から出てくる)
          張遼:おまたせっ
          (後ろ手にカーテンを閉める張遼)
          陳宮:どうも助かりました
          張遼:ううん、いいの それよりこれからどうしよう?

          (陳宮、壁掛け時計を見る)
          陳宮:そうですね・・・
          (陳宮につられて張遼も壁掛け時計を見る)
          陳宮:僕は保健室に先生が戻ってくるまでちょっと待とうと思います 呂布さ
             ん一人だけにするのも気が引けますし
          張遼:えーと、じゃあ私も待つ 折角だから付き合うわ それにもう少しで休
             み時間だしね
          陳宮:すみませんね
          張遼:いいのよ、気にしないで それよりも聞きたい事があるの
          陳宮:しかし・・・
          張遼:呂布さんならよく寝てるし大丈夫

          (陳宮と張遼、呂布が寝ているベッドの方へ揃って首を回す)
          (カーテンの向こう側は静かで物音がしない)

          陳宮:ではなるべく小声でお願いします
          張遼:うん
          (陳宮と張遼、室内に置いてある丸椅子に座る)

          陳宮:それで、聞きたい事とは何ですか?


          張遼:あのね・・・
          (張遼、口を開きかける)

          (ドスン)

          (何かが落ちる物音)
          (陳宮と張遼、カーテンを見る)
          陳宮:ん? 今の音は?
          張遼:呂布さんだと思う・・・私、見てくる

          (張遼、カーテンを開き中へ入る)
          (その背中を見ている陳宮、小さくポツリと呟く)
          陳宮:やはりここでは無理みたいですね

          (張遼、呂布のベッドの傍に立つ)
          (呂布が何度か寝返りを打ったせいか、ベッドは多少乱れている)
          (しかし、呂布自身の姿はベッドにない)
          張遼:あれ? 呂布さん? ・・・あ!
          (張遼、呂布の姿を見て苦笑)
          張遼:あらあら・・・しょうがないわねえ

          (呂布はベッドから転げ落ち、床で寝ている)
          (緩められた胸元が呼吸で上下し、スヤスヤと安らかな寝息を立てている)

          (カーテンの向こう側から陳宮の声がする)
          陳宮:どんな様子ですか?
          張遼:呂布さん、ベッドから転げ落ちたみたい 多分、寝返りを打った拍子に
             落ちたんじゃないかしら
          陳宮:大丈夫そうですかね
          張遼:うん よく寝てる

          (張遼、呂布を抱きかかえて再びベッドに寝かそうとする)
          張遼:よいしょっ
          呂布:うぅ〜ん・・・?
          (呂布、半目を開く)

          (呂布、寝ぼけた調子で話す)
          呂布:あぅ、張 遼さん? ここ、どこ?
          張遼:保健室 まだ寝てていいわよ
          呂布:そう、なの わ かった・・・
          (目を閉じる呂布)

          (張遼、呂布をベッドに寝かしつけながら喋る)
          張遼:陳宮くん やっぱり話、やめておくね ここは余り良くないみたい
          陳宮:場所を変えますか
          (張遼、呂布に布団を掛ける)
          呂布:・・・
          張遼:そうね・・・いずれは呂布さんにも知られる事だし

          (張遼、カーテンの内側から出て、また後ろ手で閉める)
          (張遼がカーテンを閉じると同時に保健室出入り口の引き戸がガラリと開く)
          (白衣を着た養護教諭が入ってくる)

          陳宮・張遼:あ
          養護教諭:あら? あなた達どうしたの?
          張遼:いえ、私達は何ともないんです 付き添いです
          養護教諭:そうなの で、誰の具合が悪いの?
          陳宮:同じクラスの呂布奉先さんです 今はベッドで寝ています

          (養護教諭、カーテンが引かれたベッドを方を見る)
          養護教諭:ふうん・・・わかったわ あとは私がやるからあなた達は自分の教
               室に戻りなさい
          陳宮・張遼:はい

          (保健室から出ていく陳宮と張遼)
          (陳宮は出る際に一瞬、呂布の方を見る)
          陳宮:・・・
          張遼:ね、行きましょ?
          陳宮:はい
          張遼:・・・後で屋上でどうかしら?
          陳宮:解りました
          張遼:ごめんね、我侭言って
          陳宮:いえ
          (引き戸が閉じられる)

          養護教諭:あの子達、確か例の転校生だったかしら・・・? まあ、いいわ
          (養護教諭、カーテンの中に入りベッドを覗き込む)
          (呂布はまだ眠っている)
          養護教諭:・・・うん、しばらく様子を見よう
          (養護教諭、ベッドからはなれカーテンの外に出て行く)

          (ベッドの上の呂布、半目を開く)
          呂布:(おくじょう・・・?)

          (休み時間を知らせるチャイムが鳴る)
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          アイキャッチ
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