「機動武将まじかる☆呂布リン!」
第13話 『しばらくのさよなら(仮)』Bパート
------------------------------------------
シーン1 董卓の根城(謁見の間・その1)
------------------------------------------
(前回と同様に薄暗い部屋の中で董卓が椅子に座り、脇に李儒が控えている)
(二人の前には後ろ手に縛られた陳宮が立っている)
(更に陳宮の後ろには貂蝉が威圧的に立っている)

李儒:貂蝉 こやつはここに置いてお前は下がれ
貂蝉:ギギギ・・・
(貂蝉は返事の変わりに奇妙な唸り声を上げる)
(貂蝉、董卓と李儒に一礼をしてから踵を返す。そして象のようにズシンズシ
ンと足音を響かせて部屋を出て行く)

(董卓、訝しげに話し掛ける)
董卓:貂蝉の戦果がこれだけか? 奴はもっと多大な戦果が挙げられる筈であ
   ろう?
(李儒は陳宮を見たまま答える)
李儒:いいえ、これでいいのでございます 作戦通りです
董卓:ふむ・・・?

(無言で董卓・李儒を睨みつける陳宮)
陳宮:・・・

(李儒、ふいに陳宮に歩み寄る)
(李儒は陳宮の眼前で立ち止まると、陳宮に向かって薄ら笑いを浮かべる)
李儒:ふふふ また会ったな
(陳宮も不敵な笑みを浮かべる)
陳宮:おやおや 初めから僕が狙いだったという訳ですね
李儒:左様 貴殿にはちと尋ねたいことがあるからな
陳宮:誰かに物を尋ねるには少しばかり無粋なやり方ではないですか?
(陳宮は顎で縛られている後ろ手を指し示す)

李儒:どうも貂蝉は無礼でいかん 客人は丁重に扱えと言ってあったのだがな
陳宮:お招きは光栄ですが、用事がありましてね 今日はこのまま引き取らせ
   て貰います
李儒:まあそう言わずに ゆるりとくつろいで行かれるがよい

(李儒は陳宮から離れ再び董卓の脇に寄る)
(董卓、李儒に問い掛ける)
董卓:これ、あやつはどう使う気だ?
李儒:曹側の情報源としても人質としても使えます

(李儒は部屋の出入り口の扉に向かって叫ぶ)
李儒:誰かおらぬか!?
(李儒が呼びかけると扉が開き、李粛が姿を現す)
李粛:お呼びでしょうか
李儒:彼の者を特別室へご案内差し上げろ
(李儒は陳宮を顎で指す)
李粛:承知しました
(一礼する李粛)

(李粛、陳宮に近づいて陳宮を縛っている縄の端を持つ)
李粛:来い
陳宮:・・・
(縄を引っ張る李粛)
(陳宮は抵抗する素振りを見せずにそのまま引きずられていく)
(陳宮と李粛が出て行き、部屋の扉が閉まる)

(李儒、董卓に向かって頭を下げる)
李儒:奴は曹の中でもそれなりの立場です しばらくはここに留め置くのが良
   いかと存じます
董卓:よかろう あの者に処遇はそちに任せる
李儒:はっ
(李儒は董卓に向かって更に深く頭を下げる)


------------------------------------------
シーン2 公園の林
------------------------------------------
(公園の中にある林。辺りは夕日に照らされている)
(林の中はあちこちに藪や茂みがある。その中の一つの茂みの陰から話し声が
する)
(茂みの陰を見ると呂布、張遼、赤兎が顔をつき合わせて何か話をしている)

張遼:・・・という訳なの
(赤兎、頷く)
赤兎:なるほど・・・今までのことは大体解ったわ
(張遼、呂布の方を向く)
呂布:はぁ〜 それにしても、さっきはあぶなかった・・・
(胸を撫で下ろす呂布)
張遼:何の事?
呂布:がっこうで赤兎ちゃんをよんじゃったこと だれもいなかったからよか
   ったけど
張遼:あら、赤兎馬の事って内緒だっけ・・・?
呂布:じつはそうなの てへへ・・・
(呂布、苦笑い)
赤兎:だからあたし、さっきは木の陰に隠れたんだけど・・・ね
(赤兎、横目で呂布を見る)
(呂布は下を向いて体を縮ませる)
呂布:ご、ごめん さっきはどうようしちゃって・・・あれ?
(腕を組んで考え込んでいる様子の張遼)
呂布:張遼さん?
張遼:あのね、さっきの貂蝉なんだけど・・・
赤兎:うん?
張遼:・・・以前、あの動きをどこかで見たような気がしたのよ
呂布:董卓のやしきのなかとか?
張遼:ううん もっと違う場所で どこだったかしら・・・
(考え込む張遼)

(赤兎、張遼の様子を見る)
赤兎:まあ、それはさて置き、この後どうする気?
呂布:きまってるよ すぐに陳宮クンをたすけにいく!
赤兎:ちょっと待って 状況がはっきり解らない内に行くのは危険過ぎるわ
呂布:でもいそがないと、曹操とかいうひとがこうげきがはじめちゃうよ?
赤兎:逆にその時ってチャンスじゃないかしら 董卓と曹操が潰し合ってる隙
   を利用するっていうのは?
呂布:そんな事したら陳宮クンがあぶなくなっちゃうんじゃない? きっと董
   卓は陳宮クンをたてにするよ
赤兎:そうね・・・でも今あたし達か董卓の所へ飛び込んでも、貂蝉とか言う
   のが待ち構えてるんじゃないかしら
(顔を上げる張遼)
張遼:あの、こういうのはどう?

(赤兎、張遼を見る)
赤兎:どうする気?
張遼:あのね、私も基本的にはも呂布さんと同じ意見よ すぐに乗り込んだ方
   がいいと思うの それに陳宮くんの話によると余り時間もなさそうだし
(呂布、同意が得られた事でちょっと喜ぶ)
呂布:やっぱりそうおもう?
(張遼、更に言葉を続ける)
張遼:但しそれは作戦を考えてからの話よ
呂布:さくせん?
赤兎:何か策があるの?
張遼:ないよりはマシな程度だけど ちょっと待ってね えーと・・・
(張遼は地面を見渡し小枝や小石を拾い始める)
(張遼、小枝で地面に図を描いて拾った石を地面に並べる)

張遼:これでいいかな
(呂布と赤兎、地面に注目する)
赤兎:何をする気?
(張遼は地面の石を人差し指で指しながら話し出す)
張遼:この絵は卓の屋敷を上かrみたもので、この石は私達の位置を示すの
   まず屋敷の正面に侵入して、それから・・・

(張遼が呂布と赤兎に何やら講釈をする)
(時折頷いたりする呂布と赤兎)

張遼:私が考えたのは大体こんな感じ どう?
呂布:うん これでいこうよ!
(赤兎は難色を示す)
赤兎:悪くはないと思う・・・でも・・・
呂布:ね、おねがい 赤兎ちゃんもちからをかして
(呂布は祈るように手を組み、赤兎に向かって真摯な目で訴える)
赤兎:・・・

(赤兎はしばらく黙っていたが、やがて口を開く)
赤兎:解ったわ だけどあたしにも一つ、提案がある
呂布:なに?
(赤兎は張遼の方を向く)
赤兎:乗り込むのをもう少し待つの 夜になってからにするの
(張遼、手をぽんと叩く)
張遼:なるほど そうね、それなら少しはこちらに有利になるかも・・・
(呂布、首を傾げる)
呂布:ふぇ? なんで?
張遼:夜襲を仕掛けるのよ
(赤兎は呂布に説明する)
赤兎:向こうと比べてあたし達の方が頭数が少ない 逆にそれを利用するの 
   少人数なら目立たずに活動しやすいし、しかも夜ならもっと見つかり難
   くできるはず
呂布:なるほど・・・ うん、わかった そうしようよ

(張遼、自分の手首に着けてある腕時計を見る)
張遼:あと2、3時間で日が暮れるわね
呂布:じゃあのりこむのはそのときということで
(無言で頷く張遼と赤兎)
   まず屋敷の正面に侵入して、それから・・・

(張遼が呂布と赤兎に何やら講釈をする)
(時折頷いたりする呂布と赤兎)

張遼:私が考えたのは大体こんな感じ どう?
呂布:うん これでいこうよ!
(赤兎は難色を示す)
赤兎:悪くはないと思う・・・でも・・・
呂布:ね、おねがい 赤兎ちゃんもちからをかして
(呂布は祈るように手を組み、赤兎に向かって真摯な目で訴える)
赤兎:・・・

(赤兎はしばらく黙っていたが、やがて口を開く)
赤兎:解ったわ だけどあたしにも一つ、提案がある
呂布:なに?
(赤兎は張遼の方を向く)
赤兎:乗り込むのをもう少し待つの 夜になってからにするの
(張遼、手をぽんと叩く)
張遼:なるほど そうね、それなら少しはこちらに有利になるかも・・・
(呂布、首を傾げる)
呂布:ふぇ? なんで?
張遼:夜襲を仕掛けるのよ
(赤兎は呂布に説明する)
赤兎:向こうと比べてあたし達の方が頭数が少ない 逆にそれを利用するの 
   少人数なら目立たずに活動しやすいし、しかも夜ならもっと見つかり難
   くできるはず
呂布:なるほど・・・ うん、わかった そうしようよ

(張遼、自分の手首に着けてある腕時計を見る)
張遼:あと2、3時間で日が暮れるわね
呂布:じゃあのりこむのはそのときということで
(無言で頷く張遼と赤兎)


------------------------------------------
シーン3 董卓の根城(使われていない倉庫)
------------------------------------------
(部屋の中に置かれた薄暗い蝋燭に日が点いている)
(その灯りにコンクリートが打ちっ放しの壁面が照らされる)
(壁にはあちこちに染みが出来ており、随分前から部屋が放置されたままだっ
た様子が解る)
(部屋の中には木箱や段ボール箱が数個置かれているが、それらの箱は埃を被
っており最近使われた形跡はない)

(湿っぽく黴臭い部屋には陳宮が一人、後ろ手に縛られたまま座っている)
(陳宮は身体を出入り口の鉄扉に向けたままじっと目を閉じて動かない)

(やがて部屋の外から足音が近づいてくる)
(足音が扉の前で停止するとドアノブがガチャリと音を立てて回る)
(音に反応して目を開く陳宮)
陳宮:(来ましたか?)

(鉄扉が開くと李粛が部屋に入ってくる)
(李粛は一旦廊下に顔を出して周囲の様子を確かめてから扉を閉じる)

(陳宮に近づくと李粛は唐突に話し掛ける)
李粛:外はまだ静かだが、本当に始まるのか?

(陳宮はその場からすっくと立ち上がる)
(すると手を縛っている筈の縄がほどけて床に落ちる)
陳宮:はい 間違いなく実行されます
李粛:そうか・・・
陳宮:お願いしておいた物はどうなりましたか?
李粛:ん? ああ、ここに・・・
(李粛、陳宮に袋を手渡す)
(袋はその形状から中身が棒状の物や角張った物である事が解る)
(陳宮は袋の口を開き中を検分する)
陳宮:結構です 助かります

(李粛は不安げに話し掛ける)
李粛:なぁ・・・俺は大丈夫、なんだろうな?
(陳宮、袋の中身をkrん分しながら答える)
陳宮:香のサンプルや屋敷の図面入手、貂蝉の情報提供等あなたには今までの
   功績を考えると、恐らく今投降すれば罪は問われずに済むでしょう
(陳宮、おどけた表情で李粛に言葉を続ける)
陳宮:あ、それと僕の脱出に協力もしてくれましたね これも功績になります
   これだけ手土産があればまず大丈夫です
李粛:ふむ・・・
(陳宮、真面目な表情)
陳宮:それでも万が一、僕の主君に問い詰められた時はすぐに僕の名前を出し
   て下さい
李粛:解った
陳宮:では攻撃が始まったらタイミングを見て逃げてください 割符は持って
   いますね?
李粛:ああ、持っている
陳宮:結構です 手筈通りに行動して貰えば問題はありません

(陳宮はそう言うと検分を終え袋の口を閉じる)
陳宮:では攻撃開始までは元の任に戻って下さい くれぐれも董卓達に曹側の
   間者だと悟られぬように
李粛:うむ そうだな・・・
(李粛、部屋を出て行こうとして留まる
(李粛は陳宮に振り返る)
李粛:そうだ、お前はこれからどうする気だ?
陳宮:それは内緒です すみませんね
(李粛、肩をすくめると部屋から出て行く)

(陳宮は李粛が出て行った後の扉を見ながら呟く)
陳宮:呂布さん、張遼さん どうも僕は勝手な事ばかりしてしまいます・・・
   すみません

------------------------------------------
シーン4 路地
------------------------------------------
(路地裏に潜んでいる呂布、張遼、赤兎)
(呂布は手に戟を持って周囲を警戒している)
(呂布のすぐ側で張遼は赤兎と何か打ち合わせをしている)
張遼:・・・じゃあそういう事で、よろしく
赤兎:解った ほーちゃん、ちょっと!
(呂布は赤兎の法を振り返る)
呂布:なに?
赤兎:そろそろ行きましょ
(呂布は自分の腕時計を見る)
呂布:そろそろちょうどいいじかんね わかった
赤兎:段取りに変更はなし さっき話した通りで行くわ
(頷く呂布)
呂布:うん
(張遼、呂布と赤兎の顔を交互に見ながら喋る)
張遼:それじゃ、無理はしないようにね?
赤兎:お互いにね
呂布:張遼さんもきをつけてね?
張遼:ええ
呂布:またあとでね
(呂布、張遼、赤兎は無言で頷きあう)
(呂布・赤兎が同じ方向に歩き出し、張遼は反対の方向に歩いて行く)

(並んで歩く呂布と赤兎)
(呂布、赤兎を見る)
呂布:赤兎ちゃん、よろしくね
(赤兎も呂布を見つめ返す)
赤兎:ほーちゃん、こちらこそ
(呂布と赤兎は力強い足取りで前へ進んで行く)
赤兎の顔を交互に見ながら喋る)
張遼:それじゃ、無理はしないようにね?
赤兎:お互いにね
呂布:張遼さんもきをつけてね?
張遼:ええ
呂布:またあとでね
(呂布、張遼、赤兎は無言で頷きあう)
(呂布・赤兎が同じ方向に歩き出し、張遼は反対の方向に歩いて行く)

(並んで歩く呂布と赤兎)
(呂布、赤兎を見る)
呂布:赤兎ちゃん、よろしくね
(赤兎も呂布を見つめ返す)
赤兎:ほーちゃん、こちらこそ
(呂布と赤兎は力強い足取りで前へ進んで行く)


------------------------------------------
シーン5 董卓の根城(謁見の間・その2)
------------------------------------------
(椅子に諏座った董卓と、そのすぐ側立つ李儒)
(董卓と李儒は密談をしている)
董卓:それで貂蝉の量産化の目処は?
李儒:近日中にも開始で出来ます 
董卓:その間に曹の反乱軍に対しての守りが薄くなってはいかんぞ
李儒:心配ご無用です 貂蝉が一体あれば反乱軍など簡単に始末して見せまし
   ょう
董卓:では貂蝉の量産が開始したら他の兵は不要だな
李儒:左様でございます 無闇に数が多いと逆に動きにくくなりますゆえ、順
   次切り捨てて行くのが良いかと存じ上げます

(突如乱暴に扉が開かれ、華雄が転がり込むように部屋に入って来る)
華雄:た、大変でございます!

(董卓、不快そうな目つきでジロリと華雄を一瞥する)
(李儒は無表情になる)
董卓:騒々しい 何事か
華雄:侵入者です! 正面の門から入って来ました! 
董卓:早く捕らえよ 全く・・・そんなつまらん事でいちいち来るでない

華雄:そ、それが相手は「呂布」でございます!
(董卓の眉根がピクリと動く)
董卓:何? それを最初に言わぬか! 李儒!
李儒:心得てございます ただちに貂蝉をぶつけましょう
(その場から歩き出そうとする李儒)

董卓:待て
(董卓は李儒に向かって手を向けて制止する)
(李儒、董卓を振り返る)
董卓:一つ条件がある
李儒:何でございましょうか?
董卓:呂布を傷つけぬようにせよ あやつの武力は今後必要になる
李儒:しかしお言葉ですが、貂蝉があれば呂布の武力など無くても問題ではあ
   りません
(董卓はギロリと鋭い目付きで李儒を睨みつける)
董卓:余の言う事が聞けぬのか?
李儒:・・・承知致しました
董卓:それでよい
李儒:では、なるべく無傷で捕らえるように致します
(李儒、一拍置く)
李儒:ですが、貂蝉を使いますので多少の事はご了承くださりますようにお願
   い致します
(卓、渋々と承諾する)
董卓:・・・まあ、仕方あるまい
李儒:では、失礼致します
(李儒は頭を下げると華雄に声をかける)
李儒:お主も速やかに呂布を迎え撃て 貂蝉が動くまでの時間を稼げればそれ
   でよい
華雄:はっ!


------------------------------------------
シーン6 董卓の根城(正面玄関前の中庭・その1)
------------------------------------------
(屋敷正門から正面玄関へ至る中庭)
(荒れてはいるがかなり広い)
(その中庭の一角がやけに騒がしい)

(時折董卓の手下達の悲鳴のような声が聞こえる)
声1:そっちへ行ったぞ!
声2:ダメだ! 近づけない!

(呂布が赤兎に乗り戟を振り回しながら中庭を走り回っている)

呂布:どっからでもかかってきなさい!
赤兎:ほーちゃん! 思いっきりやっちゃって!
呂布:うんっ!
(呂布を董卓の手下達が包囲しようとしているが、次々に呂布に蹴散らされて
 いく)
呂布:ほらほら! そんなことじゃ、わたしをとめられないよっ!
(呂布が戟を振るう度に董卓の手下達の身体が宙を舞っていく)
赤兎:捕まえられるもんならやってみなさいよ!
(赤兎はランダムに走る方向を変えて手下達をその動きで翻弄する)

(赤兎の動きについていけない者達があちこちでぶつかり合う)
(呂布に跳ね飛ばされた者が味方にぶつかったり転倒したりしている)
(呂布・赤兎が中庭を右へ左へと駆け回る度に段々と阿鼻叫喚の度合いが高ま
っていく)

(すると赤兎の前に突如、徐栄・胡赤児が飛び出す)
徐栄:待てい!
胡赤児:貴様もここで終わりだ!
徐栄:覚悟っ!

(徐栄・胡赤児が同時に斬りかかって来る)
(しかし呂布は難なく払いのける)
赤兎:あんた達こそ覚悟なさい!
呂布:えいっ!
(呂布は戟の一振りで徐栄・胡赤児を薙ぎ倒す)
(呂布、更に戟を振り回しつつ中庭を駆け回る)

(呂布は戟で卓の手下を薙ぎ倒しながら赤兎に小さな声で話しかける)
呂布:赤兎ちゃん、だいじょうぶ?
赤兎:大丈夫よ まだ始まったばかりじゃないの ほーちゃんこそどうなの?
呂布:わたしもぜんぜんへいき
赤兎:了解 先はまだまだ長いわ 力はなるべく抑えて行きましょ
(呂布、頷く)
呂布:うん 赤兎ちゃんもね
赤兎:ええ

(屋敷の正面玄関の大きな扉が左右に開き、中から新手で出てくる)
(呂布と赤兎はそれを見据えて、ニヤリと笑う)
赤兎:随分と嘗められたものね
呂布:あれくらいでわたしたちがおさえようとおもってるんじゃない?
赤兎:準備運動はまだ続きそうね
呂布:じゅんびうんどうにもならないけどね

(呂布は改めて戟を握り直す)
呂布:さあ、いくよ! 赤兎ちゃん!
赤兎:いいわよ、ほーちゃん!
(呂布は屋敷の方をチラリと見る)
呂布:(張遼さん、いまのうちにおねがいね・・・)


------------------------------------------
シーン7 董卓の根城(屋敷裏手)
------------------------------------------
(前シーンと同時刻)
(屋敷の塀から張遼が屋敷の裏手を覗いている)
(裏庭は荒れ放題だが、夜の暗さも相まって全体はひっそりとしている)

張遼:(誰かが居る気配は無さそうね・・・思った通り呂布さん達に注意が向
   いているみたい)
(すると時々中庭の喧騒が遠くに聞こえてくる)
張遼:(始まったわね)
(張遼は改めて一通り周囲を見る)
張遼:(よし、私も始めよう)

(張遼はまず荷物の入った鞄を中を裏庭に放り込む)
(続いて張遼自身が塀を乗り越え、物音も立てずに敷地の内側へ飛び降りる)
(飛び降りる風圧で張遼の服、スカートがめくれ太腿やパンツが見える)
(張遼、着地すると荷物を掴んですばやく物陰へ移動)
(張遼はあたりを警戒)

(すると張遼の視界にコソコソと歩く人影が見える)
張遼:(歩哨かしら? ・・・いえ、違うみたいね)
(独り言を呟く人影)
人影:攻撃が始まって騒がしくなって来たな
(張遼には聞き覚えのある声)
張遼:(あの声は李粛ね)
李粛:皆は呂布を迎え撃つから表に回っているし、今なら逃げ出せそうだな
(李粛はやがて裏庭を出て行ってしまう)

張遼:(なるほね、そういう事・・・ よし、行けそうね)
(張遼は一旦中庭の方を向く)
張遼:(呂布さん、もう少しの間だけ頑張ってね!)

(張遼は周囲を警戒しながら屋敷の窓に近づく)
(屋敷の窓は全て板が打ち付けられて塞がれている)
(張遼、窓の下に身体を貼り付けて身を潜める)
張遼:(ここからは気配はしない 侵入できるかしら?)

(張遼は鞄からバールのような物を取り出し窓を塞ぐ板にあてがう)
(張遼は腕に力を込めようとすると、板がガタリと揺れる)
張遼:(あら? 板が外れかかってる・・・?)
(張遼は板に手をかけて動かしてみると簡単に板が動く)
  ※↑第6話後半で陳宮が細工をしていた

(張遼は窓を塞ぐ板を慎重に一枚だけ半分程度剥がす)
(張遼、胸元から小さな手鏡を取り出すと、板の隙間に鏡を突っ込み窓の中を
映す)
(鏡の中にはがらんとした部屋が見える)

張遼:(誰もいない これならすぐに入れるわね)
(張遼は手に持っていたバールのようなものを足元に置く)
(張遼、板を数枚完全に取り外し、そのまま窓の中に身体を滑り込ませる)

(張遼が忍び込んだ部屋は暗くがらんとして家財道具などが一切ない)
(照明器具はその基部のみを残し電球・蛍光灯などは備え付けられていない)
(さらに壁は変色し床は一面に埃が薄く積もっている)

(張遼は廊下に続くドアに向かって静かに歩き始める)
(すると足元から僅かに埃が舞い上がり、足跡が残る)

張遼:(取り敢えず潜入には成功 問題はここからね・・・)
と足元から僅かに埃が舞い上がり、足跡が残る)

張遼:(取り敢えず潜入には成功 問題はここからね・・・)


------------------------------------------
シーン8 董卓の根城(正面玄関前の中庭・その2)
------------------------------------------
(先ほどと同様に暴れまわっている呂布)
(相変わらず呂布と赤兎は董卓の手下をまるで寄せ付けない)
赤兎:全然楽勝ね!
呂布:でも、ゆだんはだめだよ まだ、おわってないんだから

(更に攻勢をかける呂布)
(宙を舞う手下の数は増し、辺りは呂布に攻撃を仕掛ける声よりも逃げ惑う声
の方が徐々に大きくなってくる)
赤兎:段々数が減って来たみたいね
呂布:じゃあもうひとがんばりっ!

(更に時間が経つにつれて動く人影が少なくなり、代わりに倒れた手下があち
こちで山のように積み重なっていく)

(そこへ雑兵の中から飛び出して、呂布に向かって来る華雄)
華雄:呂布ッ!
(華雄を向く呂布)
呂布:こんどはそっちね!
(華雄、呂布に飛び掛る)
華雄:食らえ!
(華雄の矛が突き出される)
呂布:それっ
(華雄の動きよりも数段速い戟さばきを見せる呂布)
(華雄は悲鳴をあげる間すらなく叩きのめされる)
呂布:よしっ!

(赤兎は一旦足を止めて周囲の様子を見る)
(動く者の姿は殆どなく、動ける者も遠巻きに呂布を見守っているだけ)
呂布:もしかして、ほとんどやっつけちゃったのかな
赤兎:気をつけて あたし達の役目はあくまでここにあいつらを釘付けにして
   注意を向けさせる事よ
呂布:そうだね あんまりやりすぎてやしきにたてこもられたら、なかにはい
   った張遼さんがみつかっちゃうかも・・・
赤兎:それに例の新兵器は出てきてない 気を抜くにはまだ早いわ
呂布:うん そうね
(呂布、急にゾクリと背筋に気配を感じる)
呂布:(なに? このかんかく?)
(赤兎もピクリと反応する)
赤兎:ほーちゃん、気をつけて 何か嫌な予感がするわ

(すると突然、屋敷の正面玄関の大きな扉が吹き飛ばされる)
(扉の部分のみが飛び、赤兎の傍の地面に突き刺さる)

(扉を失った正面玄関に異形なシルエットが山のように立ちはだかる)
(李儒がシルエットの脇に立っている)
(李儒、シルエトに向かって命令する)
李儒:貂蝉よ、あれが目標だ
(呂布を指差す李儒)
李儒:(呂布は危険だ 今の内に消すしかない)
李儒:討ち取れ 容赦はするな
(貂蝉の眼が不気味に赤く輝く)
李儒:では、ここは任せる 行け
(そう言うと李儒は再び屋敷の中に消える)

(貂蝉、呂布をギロリと猛獣のような目で睨む)
(大きく息を吐き出す貂蝉)
貂蝉:フーッ・・・

(呂布は改めて戟をしっかりと握りなおす)
呂布:(なにか・・・いやなかんじ いきものがもつけはいじゃない・・・)
------------------------------------------
アイキャッチ
------------------------------------------
して
   注意を向けさせる事よ
呂布:そうだね あんまりやりすぎてやしきにたてこもられたら、なかにはい
   った張遼さんがみつかっちゃうかも・・・
赤兎:それに例の新兵器は出てきてない 気を抜くにはまだ早いわ
呂布:うん そうね
(呂布、急にゾクリと背筋に気配を感じる)
呂布:(なに? このかんかく?)
(赤兎もピクリと反応する)
赤兎:ほーちゃん、気をつけて 何か嫌な予感がするわ

(すると突然、屋敷の正面玄関の大きな扉が吹き飛ばされる)
(扉の部分のみが飛び、赤兎の傍の地面に突き刺さる)

(扉を失った正面玄関に異形なシルエットが山のように立ちはだかる)
(李儒がシルエットの脇に立っている)
(李儒、シルエトに向かって命令する)
李儒:貂蝉よ、あれが目標だ
(呂布を指差す李儒)
李儒:(呂布は危険だ 今の内に消すしかない)
李儒:討ち取れ 容赦はするな
(貂蝉の眼が不気味に赤く輝く)
李儒:では、ここは任せる 行け
(そう言うと李儒は再び屋敷の中に消える)

(貂蝉、呂布をギロリと猛獣のような目で睨む)
(大きく息を吐き出す貂蝉)
貂蝉:フーッ・・・

(呂布は改めて戟をしっかりと握りなおす)
呂布:(なにか・・・いやなかんじ いきものがもつけはいじゃない・・・)
------------------------------------------
アイキャッチ
------------------------------------------


NEXT