「機動武将まじかる☆呂布リン!」
第13話 『しばらくのさよなら(仮)』Dパート
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シーン1 屋敷の地下
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(前のシーンと同じでズラリと吊るされた貂蝉)
(陳宮はざっと貂蝉達を見回す)
陳宮:(予想通り董卓は本気で量産を考えていたみたいですね ・・・このま
   ま放置は出来ません)

(すると陳宮、身体をブルッと震わせる)
陳宮:(何でしょうか? この感覚は・・・寒さではありませんね)
(陳宮、部屋の奥に目を走らせる)
陳宮:(あちらの方から感じる気がしますが?)

陳宮:ん・・・? あれは?
(部屋の奥から赤い光が射している)
(赤い光は規則的に強くなったり弱くなったりを繰り返す)
(陳宮、貂蝉の複製体の間を縫うようにして小走りに光源に向かって近づく)

(光源に近づくとい赤い光は強くなり、陳宮は左手で目を庇いつつ更に接近す
る)
陳宮:(これは一体何でしょう?)
(部屋の奥まで達する陳宮)
(陳宮の目の前には祭壇のような台座がある)
(台座の上には木製の小箱が置いてあり、光は箱の中から漏れている)
(心臓の鼓動のように赤い光は強弱をつけて漏れている)

(しげしげと観察する陳宮)
(小箱には何やら文字が書かれた札でベタベタと貼り付けられている)
(札は何重にも重ね貼りされており、粘着テープのように小箱を台座に固定し
ている)
陳宮:ん・・・?
(台座には怪しげな模様が描かれており、模様はの中には沢山の点とそれに対
応するように番号が規則正しく並んでいる)

声:待て! そこまでだ!
(陳宮の後ろから声が響く)
李儒:クッ・・・ またお前か!
(ゆっくりと振り返る陳宮)
(吊るされた貂蝉の間、その先に見える入り口に李儒が立っている)

陳宮:おや、思ったよりお早いお着きですね
(貂蝉達が邪魔で陳宮の視界からは李儒の姿が完全には見えない)
李儒:お前はどこまで邪魔をする気だ!
陳宮:さぁて 僕自身は邪魔をしているつもりはないんですがね?

(その時、陳宮の視界に貂蝉に付けられた番号札が目に入る)
陳宮:(む?)
(陳宮、貂蝉の並び方と番号札をざっと見渡す)
陳宮:(もしや・・・)
李儒:大人しくしろ! お前の振る舞いの如何によってはこの場で始末しても
   よいのだぞ!
陳宮:どの道、無事に帰すつもりはないのでしょう?

(陳宮、李儒の様子を分析)
陳宮:(どうやら思った以上に李儒は焦っていますね その理由は恐らくこれ
   ですね!)
(陳宮、突如小箱に向き直ると、小箱を手に掴む)
李儒:う!
陳宮:これは貂蝉の力の源・・・そうですね?
李儒:触るな! それを寄越せ!
陳宮:よっ!
(陳宮、小箱を台座から引き剥がす)
(小箱を台座に固定していた札がビリビリと破れる)

(陳宮が小箱を取り上げると、吊るされた貂蝉達が一斉に身体をビクリと痙攣
させる)
(複製体の眼の輝きが急速に失われていく)

(複製体の身体は途端に柔らかい粘土のように形が崩れ、鎖の隙間からダラリ
と垂れる)
(中には鎖の隙間からズルリとずり落ちる物もある)
李儒:な、何と言う事を・・・

(陳宮は周囲を見渡す)
陳宮:これでもう、ここにある物は使えなくなったはずですね
(李儒、憤怒の表情をあらわにする)
李儒:お、のれ!

(李儒、陳宮に向かって走って来る)
(陳宮も崩れかけた複製体の間を縫うように走る)
(冷たい部屋の中に陳宮と李儒の足音が鳴り響く)

(移動しながら考える陳宮)
陳宮:(出入り口があそこしかないのに待ち伏せをせず、わざわざ僕を追うと
   いう事はよほど切羽詰った状況のようですね)
(李儒の叫び声が聞こえる)
李儒:待てっ! 待つのだ!
陳宮:(李儒が一人でこの中に現れたという事は・・・おそらく部屋の外には
   誰もいめせんね 部屋の外に仲間が潜んでいるなら僕を追う必要は全く
   ありません)
(貂蝉達の間をのらりくらりと身を隠しつつ逃げまわる陳宮)
李儒:おのれ! どこに居る!
陳宮:(そうと決まったらさっさと出ましょう!)

(陳宮は複製体を盾にして李儒を奥へ奥へと誘導する)
(李儒が陳宮に接近する)
(陳宮、すぐ近くにあった吊るされた貂蝉の複製体を押す)
陳宮:それっ!
(陳宮、複製体を大きく揺らすと身をかわす)
李儒:ぬ!?
(大きなサンドバッグのような身体が李儒にぶつかる)
(悲鳴を上げる李儒、そのまま転倒)
李儒:ぐぁ!

(陳宮はその隙に乗じて部屋の出口を目指す)
(まだ倒れている李儒)
(陳宮は一目散に部屋から飛び出し地下道へ抜け出す)
(陳宮は走りながら考える)
陳宮:(貂蝉の異常な能力、普通ではあり得ません 逆に言うと普通でない力
   が宿っていると考えるべきでしょう)
(陳宮は手元の小箱を見る)
陳宮:もしかすると、これが・・・?
た複製体の間を縫うように走る)
(冷たい部屋の中に陳宮と李儒の足音が鳴り響く)

(移動しながら考える陳宮)
陳宮:(出入り口があそこしかないのに待ち伏せをせず、わざわざ僕を追うと
   いう事はよほど切羽詰った状況のようですね)
(李儒の叫び声が聞こえる)
李儒:待てっ! 待つのだ!
陳宮:(李儒が一人でこの中に現れたという事は・・・おそらく部屋の外には
   誰もいめせんね 部屋の外に仲間が潜んでいるなら僕を追う必要は全く
   ありません)
(貂蝉達の間をのらりくらりと身を隠しつつ逃げまわる陳宮)
李儒:おのれ! どこに居る!
陳宮:(そうと決まったらさっさと出ましょう!)

(陳宮は複製体を盾にして李儒を奥へ奥へと誘導する)
(李儒が陳宮に接近する)
(陳宮、すぐ近くにあった吊るされた貂蝉の複製体を押す)
陳宮:それっ!
(陳宮、複製体を大きく揺らすと身をかわす)
李儒:ぬ!?
(大きなサンドバッグのような身体が李儒にぶつかる)
(悲鳴を上げる李儒、そのまま転倒)
李儒:ぐぁ!

(陳宮はその隙に乗じて部屋の出口を目指す)
(まだ倒れている李儒)
(陳宮は一目散に部屋から飛び出し地下道へ抜け出す)
(陳宮は走りながら考える)
陳宮:(貂蝉の異常な能力、普通ではあり得ません 逆に言うと普通でない力
   が宿っていると考えるべきでしょう)
(陳宮は手元の小箱を見る)
陳宮:もしかすると、これが・・・?


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シーン2 (正面玄関前の中庭・その1)
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(中庭の中央に呂布と貂蝉の二人が倒れている)
(呂布は戟を握ったままうずくまっている)
(貂蝉は槍を投げ出して大の字に倒れて失神している)

呂布:げほっ げほっ・・・
(呂布、苦しそうに咳き込む)
呂布:(ほ とんど まとも に、くらっ ちゃった・・・)

(すると貂蝉の全身がビクリと痙攣)
貂蝉:ウ、ウ・・・
(貂蝉、すぐにムックリと立ち上がる)
(呂布はうずくまったまま動けない)
呂布:(だ め、まだう ごけない)

(貂蝉は足元を見回し落ちている槍を見つけ拾おうとする)
(すると貂蝉はバランスを崩し身体がグラリと傾く)
(貂蝉、ズシンと音を立てて前のめりに倒れる)
呂布:(むこうの だめーじも、けっこう おおき い?)

呂布:(はや く、もういちど たちあが ら ないと・・・!)
(呂布は戟を手元に引き寄せる)
呂布:(さ すがに、ほね までは、いって ない と、おもいたい けど)
(呂布、戟を杖の代わりにして身体を支えながら立ち上がろうとする)
呂布:ん・・・いっ! たっ!
(呂布が身体に力を入れようとすると脇腹から激痛が走る)

呂布:く、ふ・・・う
(呂布、痛みを堪えつつヨロヨロと何とか立ち上がる)
呂布:はぁ・・・はぁ・・・
(呂布は荒く息をする)
呂布:(いきを する たびに、いたみ がく る)
(呂布はふらつきながら一歩、二歩と貂蝉に近づく)

呂布:うっ うっ
(呂布は歩く振動で痛みが伝わり小さな悲鳴を上げる)
呂布:(とり あえず・・・あの、ぶきを とりあげ ないと・・・)
(貂蝉に近づく呂布)

(貂蝉は倒れたまま槍に手を伸ばそうとしている)
貂蝉:ウ・・・
呂布:(わたしが、やりを とりあげ る のが はやいか、むこうが やり
   を てにとる のがはやい か)
(貂蝉は震える手で槍に手を伸ばし、槍に手を触れる)
呂布:(もうすこし で あしが、とどくのに・・・!)

(だが呂布が槍に接近する前に貂蝉の腕の方が早く槍を掴む)
呂布:(まにあわな かった!)
(貂蝉は槍を掴むとゆっくりと起き上がろうとする)
(呂布、戟を力のない動作で構える)

(貂蝉、片膝を地面につきやりを杖代わりにして立ち上がる)
(その時、貂蝉の身体がパラパラと小さな欠片のような物が落ちる)
(貂蝉の様子の変化に気付く呂布)
呂布:え・・・?
(完全に立ち上がった貂蝉)
(貂蝉の脇腹には大きな亀裂が走っている)
(貂蝉の姿に驚く呂布)
呂布:(なに、あれ!?)

(貂蝉が槍を構えると亀裂も更に大きくなり、破片も落ちる)
呂布:(もしかして だめーじが おおきいのは、むこうのほう かも)
(呂布、痛みを堪えつつ、大きく息を吸う)
呂布:うっ!
(苦痛に顔をゆがめる)
呂布:(い、いきをすっても いた む)
(呂布も痛みに呻き声を上げながらも戟を構え直す)
呂布:・・・ま、まけないもん わたし
貂蝉:ギッ・・・
(貂蝉、槍を上段から振り下ろす)
(呂布、戟を下段から振り上げる)
(まるで身体のダメージを感じさせない速さで交差する戟と槍)

(激しい勢いで衝突する戟と槍)
(互いの武器ごしに睨みあう呂布と貂蝉)
呂布:はぁ・・・はぁ・・・
貂蝉:ギ ギ ギ

(貂蝉は槍をすぐに槍を構え直し、次々と呂布を攻め立てる)
(呂布も戟で貂蝉の槍を必死に防ぎ、何とか貂蝉に攻撃を加える)
(貂蝉が槍で横薙ぎにしようとすると、、呂布は戟で受け止める)
(呂布は槍を防ぐと反動を利用して貂蝉を逆に横薙ぎにしようとする)

(数十合に渡って戟と槍とがぶつかり合う)
(その間も貂蝉の身体に入った亀裂は段々と大きくなっていく)
(二人とも身体の負傷を無視して激しい攻防が繰り広げられる)

呂布:(くる しい・・・けど、それは むこうだって おなじ はず)
(時間が経つにつれ呂布の息が荒くなる)
(貂蝉の身体の亀裂も更に大きくなり、呂布に蹴られた左脇腹から左肩まで伸
びる)
呂布:はぁ、はぁ、はぁ
貂蝉:・・・
(貂蝉が槍を大きく振りかぶったその瞬間にビシッと何かが割れる音がする)
(すると貂蝉の腕が左の肩口からドサリと音を立てて地面に落下)

貂蝉:ウ?
(貂蝉、自分の頭を左肩に向ける)
(見ると腕がもげた後の肩口は粘土のような断面を見せている)
(貂蝉は肩口を確認すると何事も無かったのかのように呂布に向き直る)

(貂蝉、呂布を無表情に見つめる)
貂蝉:・・・
(すると貂蝉はわずかに口の端をゆがめてみせると右手一本で槍を振りかぶる)

(呂布はその表情を見て考える)
呂布:(・・・わらってる)
ン2 (正面玄関前の中庭・その1)
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(中庭の中央に呂布と貂蝉の二人が倒れている)
(呂布は戟を握ったままうずくまっている)
(貂蝉は槍を投げ出して大の字に倒れて失神している)

呂布:げほっ げほっ・・・
(呂布、苦しそうに咳き込む)
呂布:(ほ とんど まとも に、くらっ ちゃった・・・)

(すると貂蝉の全身がビクリと痙攣)
貂蝉:ウ、ウ・・・
(貂蝉、すぐにムックリと立ち上がる)
(呂布はうずくまったまま動けない)
呂布:(だ め、まだう ごけない)

(貂蝉は足元を見回し落ちている槍を見つけ拾おうとする)
(すると貂蝉はバランスを崩し身体がグラリと傾く)
(貂蝉、ズシンと音を立てて前のめりに倒れる)
呂布:(むこうの だめーじも、けっこう おおき い?)

呂布:(はや く、もういちど たちあが ら ないと・・・!)
(呂布は戟を手元に引き寄せる)
呂布:(さ すがに、ほね までは、いって ない と、おもいたい けど)
(呂布、戟を杖の代わりにして身体を支えながら立ち上がろうとする)
呂布:ん・・・いっ! たっ!
(呂布が身体に力を入れようとすると脇腹から激痛が走る)

呂布:く、ふ・・・う
(呂布、痛みを堪えつつヨロヨロと何とか立ち上がる)
呂布:はぁ・・・はぁ・・・
(呂布は荒く息をする)
呂布:(いきを する たびに、いたみ がく る)
(呂布はふらつきながら一歩、二歩と貂蝉に近づく)

呂布:うっ うっ
(呂布は歩く振動で痛みが伝わり小さな悲鳴を上げる)
呂布:(とり あえず・・・あの、ぶきを とりあげ ないと・・・)
(貂蝉に近づく呂布)

(貂蝉は倒れたまま槍に手を伸ばそうとしている)
貂蝉:ウ・・・
呂布:(わたしが、やりを とりあげ る のが はやいか、むこうが やり
   を てにとる のがはやい か)
(貂蝉は震える手で槍に手を伸ばし、槍に手を触れる)
呂布:(もうすこし で あしが、とどくのに・・・!)

(だが呂布が槍に接近する前に貂蝉の腕の方が早く槍を掴む)
呂布:(まにあわな かった!)
(貂蝉は槍を掴むとゆっくりと起き上がろうとする)
(呂布、戟を力のない動作で構える)

(貂蝉、片膝を地面につきやりを杖代わりにして立ち上がる)
(その時、貂蝉の身体がパラパラと小さな欠片のような物が落ちる)
(貂蝉の様子の変化に気付く呂布)
呂布:え・・・?
(完全に立ち上がった貂蝉)
(貂蝉の脇腹には大きな亀裂が走っている)
(貂蝉の姿に驚く呂布)
呂布:(なに、あれ!?)

(貂蝉が槍を構えると亀裂も更に大きくなり、破片も落ちる)
呂布:(もしかして だめーじが おおきいのは、むこうのほう かも)
(呂布、痛みを堪えつつ、大きく息を吸う)
呂布:うっ!
(苦痛に顔をゆがめる)
呂布:(い、いきをすっても いた む)
(呂布も痛みに呻き声を上げながらも戟を構え直す)
呂布:・・・ま、まけないもん わたし
貂蝉:ギッ・・・
(貂蝉、槍を上段から振り下ろす)
(呂布、戟を下段から振り上げる)
(まるで身体のダメージを感じさせない速さで交差する戟と槍)

(激しい勢いで衝突する戟と槍)
(互いの武器ごしに睨みあう呂布と貂蝉)
呂布:はぁ・・・はぁ・・・
貂蝉:ギ ギ ギ

(貂蝉は槍をすぐに槍を構え直し、次々と呂布を攻め立てる)
(呂布も戟で貂蝉の槍を必死に防ぎ、何とか貂蝉に攻撃を加える)
(貂蝉が槍で横薙ぎにしようとすると、、呂布は戟で受け止める)
(呂布は槍を防ぐと反動を利用して貂蝉を逆に横薙ぎにしようとする)

(数十合に渡って戟と槍とがぶつかり合う)
(その間も貂蝉の身体に入った亀裂は段々と大きくなっていく)
(二人とも身体の負傷を無視して激しい攻防が繰り広げられる)

呂布:(くる しい・・・けど、それは むこうだって おなじ はず)
(時間が経つにつれ呂布の息が荒くなる)
(貂蝉の身体の亀裂も更に大きくなり、呂布に蹴られた左脇腹から左肩まで伸
びる)
呂布:はぁ、はぁ、はぁ
貂蝉:・・・
(貂蝉が槍を大きく振りかぶったその瞬間にビシッと何かが割れる音がする)
(すると貂蝉の腕が左の肩口からドサリと音を立てて地面に落下)

貂蝉:ウ?
(貂蝉、自分の頭を左肩に向ける)
(見ると腕がもげた後の肩口は粘土のような断面を見せている)
(貂蝉は肩口を確認すると何事も無かったのかのように呂布に向き直る)

(貂蝉、呂布を無表情に見つめる)
貂蝉:・・・
(すると貂蝉はわずかに口の端をゆがめてみせると右手一本で槍を振りかぶる)

(呂布はその表情を見て考える)
呂布:(・・・わらってる)


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シーン3 屋敷の地下→廊下
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(陳宮は地下道を今度は出口に向かって一直線に走り抜ける)
(暗い地下道を走り抜けると陳宮の前方に上方に続く古びた階段が見えてくる)
(陳宮は階段にたどり着くと急いで駆け上がる)

(ある部屋の床に暗い穴が四角く開いている)
(穴の中をよく見ると下に続く階段がある)

(すると階段から奥から足音がして、徐々に大きくなる)
(陳宮が階段を駆け上がって来る)
(陳宮、階段を昇りきり、部屋の床の上に立つ)

(急いで周囲を見回す陳宮)
(部屋には窓はなく、家具も何もない)
陳宮:(何か階段を塞ぐものがあれば時間が稼げたのですが・・・やむを得ま
   せんがこのまま出るしかなさそうです)

(陳宮、小箱を抱えて廊下に飛び出すと、そのまま迷わず走り出す)
陳宮:(このまま何事もなく脱出できれば良いのですが、そうは行かないでし
   ょうね)
(陳宮、後ろをチラリと振り返る)
陳宮:(李儒はすぐに追って来ますね 早く外に出ないとまずいんですが)
(陳宮は曲がり角まで来ると立ち止まって周囲を警戒)
陳宮(場所的に一番近い出口は正面玄関ですが・・・やはり裏庭に面した方が
   確実でしょうか)
(陳宮は手元の小箱を見る)
陳宮:(とにかくこれを早く何とかしないと)

(突如、董卓の声が響く)
董卓:お前は・・・確か曹の手下だったな
陳宮:うっ!
(陳宮、慌てて声の方を見る)
(陳宮の前方に陽炎のようにユラリと現れる)
陳宮:(よりによって董卓自身が出てくるとは・・・これはまずいですね)

(陳宮は一歩、後ずさり)
陳宮:大将が自らお出ましとは光栄ですね
董卓:お主の抱えている物を渡せ
(董卓が一歩近づく)
(陳宮は一歩下がる)
陳宮:折角ですがそうは行きません
董卓:渡したく無ければそれでも構わん
(董卓の近くにある蝋燭が勢いよく燃える)
陳宮:(ここで時間を食うわけには行きません)
董卓:焼けろ
陳宮:待ちなさい!
(陳宮はそう言うと小箱を足元に置き、持っていた袋の中から金槌を取り出す)

董卓:そんな獲物で余と戦うつもりか?
陳宮:いいえ、違います 武力は僕よりそちらの方が上でしょうね その妖し
   げな力が無くても僕では勝てないでしょう
董卓:降参する気か? 今更そんな冗談は通じぬぞ
(陳宮、大きく首を左右に振る)
陳宮:いいえ、僕は冗談を言う気はありませんよ? 道を開けて下さい さも
   ないと・・・
(陳宮はそう言うと床に身をかがめて金槌を大きく振りかぶる)
董卓:うっ!? 何をする気だ!
陳宮:これを粉々に砕きます! さあ、どうです?

董卓:愚かな真似をしおって その中身、何だか知っておるのか!?
陳宮:だからこそこんな真似をするんですよ
董卓:く、くく・・・!
(卓、肩を落としてうなだれる)
卓:くくく くっくっくっ・・・
(悔しそうに身体を振るわせる卓)
陳宮:さあ、どうします?

(卓は顔をあげると急に大声で笑う)
卓:わはははは はーっはっはっはっ!
(卓の態度に何か危険を感じ取る陳宮)
陳宮:僕は本気ですよ?
(卓はひとしきり笑った後、勝ち誇った顔で陳宮を見る)
董卓:本気だと? 笑わせてくれるわ!
陳宮:本当に破壊します
卓:ふん、やれるものならやってみよ
(妙に余裕のある卓)
(陳宮、卓の態度から危機を察知する)
陳宮:(何か危ない!)
(陳宮、急いで小箱を拾い逃げ出そうとする)

陳宮:(卓は強がりやハッタリで言っている訳ではないようです!)
(卓、陳宮の動揺を見逃さない)
董卓:今だ、行け!
(再び蝋燭の炎が燃え上がり、陳宮に向かって伸びる)
(炎が陳宮の目の前に叩きつけられる)
陳宮:熱ッ!
(陳宮は一瞬怯んで手を引っ込めてしまう)

陳宮:(しまった!)
(陳宮はそう思った途端に横から強い衝撃を受ける)
(地下室から追いついた李儒が陳宮に体当たり)
(転倒する陳宮)
董卓:よし! よくやった、李儒!
(小箱を素早く拾い上げる李儒)
李儒:手間を取らせおって
卓:小僧、本気でそれを壊せるとでも思っておったのか?

(李儒は陳宮を一瞥する)
李儒:一つ教えてやろう これさえあれば貂蝉は何度でも、幾らでも生産でき
   るのだ つまり、貴様が地下を潰しても全くの無駄という事だ!

(李儒は董卓に向き直る)
李儒:殿、貂蝉にこれを使います 非常事態ゆえお許しを願います
董卓:よし、行け
李儒:はっ
(正面玄関方向へ走って行く李儒)
(陳宮、走り去る李儒の後姿を見る)
陳宮:あっ! 待ちなさ・・・
董卓:どこを見ておる!
(再び陳宮を炎が襲う)

陳宮:おわっ!
(陳宮は横に身をかわす)
(何とか炎の直撃は浴びずに済むが服の袖が焼け焦げる)
(その間に李儒の姿は見えなくなってしまう)
陳宮:(・・・これはまずい事になってしまいましたね)
董卓:さあ、覚悟は良いな?
(董卓は陳宮を不気味な笑みを浮かべる)
(蝋燭の炎が大きく燃え上がる)

陳宮(場所的に一番近い出口は正面玄関ですが・・・やはり裏庭に面した方が
   確実でしょうか)
(陳宮は手元の小箱を見る)
陳宮:(とにかくこれを早く何とかしないと)

(突如、董卓の声が響く)
董卓:お前は・・・確か曹の手下だったな
陳宮:うっ!
(陳宮、慌てて声の方を見る)
(陳宮の前方に陽炎のようにユラリと現れる)
陳宮:(よりによって董卓自身が出てくるとは・・・これはまずいですね)

(陳宮は一歩、後ずさり)
陳宮:大将が自らお出ましとは光栄ですね
董卓:お主の抱えている物を渡せ
(董卓が一歩近づく)
(陳宮は一歩下がる)
陳宮:折角ですがそうは行きません
董卓:渡したく無ければそれでも構わん
(董卓の近くにある蝋燭が勢いよく燃える)
陳宮:(ここで時間を食うわけには行きません)
董卓:焼けろ
陳宮:待ちなさい!
(陳宮はそう言うと小箱を足元に置き、持っていた袋の中から金槌を取り出す)

董卓:そんな獲物で余と戦うつもりか?
陳宮:いいえ、違います 武力は僕よりそちらの方が上でしょうね その妖し
   げな力が無くても僕では勝てないでしょう
董卓:降参する気か? 今更そんな冗談は通じぬぞ
(陳宮、大きく首を左右に振る)
陳宮:いいえ、僕は冗談を言う気はありませんよ? 道を開けて下さい さも
   ないと・・・
(陳宮はそう言うと床に身をかがめて金槌を大きく振りかぶる)
董卓:うっ!? 何をする気だ!
陳宮:これを粉々に砕きます! さあ、どうです?

董卓:愚かな真似をしおって その中身、何だか知っておるのか!?
陳宮:だからこそこんな真似をするんですよ
董卓:く、くく・・・!
(卓、肩を落としてうなだれる)
卓:くくく くっくっくっ・・・
(悔しそうに身体を振るわせる卓)
陳宮:さあ、どうします?

(卓は顔をあげると急に大声で笑う)
卓:わはははは はーっはっはっはっ!
(卓の態度に何か危険を感じ取る陳宮)
陳宮:僕は本気ですよ?
(卓はひとしきり笑った後、勝ち誇った顔で陳宮を見る)
董卓:本気だと? 笑わせてくれるわ!
陳宮:本当に破壊します
卓:ふん、やれるものならやってみよ
(妙に余裕のある卓)
(陳宮、卓の態度から危機を察知する)
陳宮:(何か危ない!)
(陳宮、急いで小箱を拾い逃げ出そうとする)

陳宮:(卓は強がりやハッタリで言っている訳ではないようです!)
(卓、陳宮の動揺を見逃さない)
董卓:今だ、行け!
(再び蝋燭の炎が燃え上がり、陳宮に向かって伸びる)
(炎が陳宮の目の前に叩きつけられる)
陳宮:熱ッ!
(陳宮は一瞬怯んで手を引っ込めてしまう)

陳宮:(しまった!)
(陳宮はそう思った途端に横から強い衝撃を受ける)
(地下室から追いついた李儒が陳宮に体当たり)
(転倒する陳宮)
董卓:よし! よくやった、李儒!
(小箱を素早く拾い上げる李儒)
李儒:手間を取らせおって
卓:小僧、本気でそれを壊せるとでも思っておったのか?

(李儒は陳宮を一瞥する)
李儒:一つ教えてやろう これさえあれば貂蝉は何度でも、幾らでも生産でき
   るのだ つまり、貴様が地下を潰しても全くの無駄という事だ!

(李儒は董卓に向き直る)
李儒:殿、貂蝉にこれを使います 非常事態ゆえお許しを願います
董卓:よし、行け
李儒:はっ
(正面玄関方向へ走って行く李儒)
(陳宮、走り去る李儒の後姿を見る)
陳宮:あっ! 待ちなさ・・・
董卓:どこを見ておる!
(再び陳宮を炎が襲う)

陳宮:おわっ!
(陳宮は横に身をかわす)
(何とか炎の直撃は浴びずに済むが服の袖が焼け焦げる)
(その間に李儒の姿は見えなくなってしまう)
陳宮:(・・・これはまずい事になってしまいましたね)
董卓:さあ、覚悟は良いな?
(董卓は陳宮を不気味な笑みを浮かべる)
(蝋燭の炎が大きく燃え上がる)


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シーン4 (正面玄関前の中庭・その2)
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(中庭で対峙している呂布と貂蝉)

呂布:はぁ はぁ はぁ
(呂布は苦しそうな表情で戟を構えている)
呂布:(からだ がおも い・・・)
(貂蝉は左腕を肩から失い右手だけで槍を持つ)
(両者とも相手の隙を伺いじっとして動かない)
呂布:(いま、こうげ き を はずし たら、つ ぎが もたない・・・)

(突如、呂布の全身が総毛立つ)
呂布:(またなにかのけはい! それもすごくつよい!)
(呂布、横目で気配の方向を確認する)
(呂布の視界に赤い光が漏れている小箱を持った李儒が映る)

(大声で叫ぶ李儒)
李儒:貂蝉っ! こっちだ!
呂布:(李儒?)
(李儒は小箱の蓋を手早く外すと中から赤く明滅する石のような物を取り出す)
(李儒は貂蝉小箱を投げ捨てると石を片手に握り締める))
李儒:貂蝉! これを・・・受け取れっ!
(李儒は貂蝉に向かって石を投げつける)
(貂蝉、その場から石に向かって急に走り出す)
呂布:(なにか、あぶない!)
(呂布の勘が危機を知らせる)

(すぐに呂布は貂蝉を追う)
呂布:く うっ
(身体のダメージでよろける呂布)
(スタートダッシュの差で呂布の先を走る貂蝉)

(呂布は苦痛に顔を歪めながら走る)
呂布:(だめ、おいつけない!)
(貂蝉は途中で槍を投げ捨て空中に飛び上がる)
(貂蝉、空中で右手を伸ばし、飛んで来た石をガッチリと掴む)
(貂蝉は石を確認すると呂布に背中を見せて着地)

(貂蝉を追う呂布からも石の様子が見える)
呂布:(なに、あのいし?)
(石は先ほどと同じように脈を打つように明滅を繰り返ている)

(李儒、貂蝉に向かって命令)
李儒:その力を直接使え!
(すると貂蝉は右手に石を載せたまま自らの額に手を打ち付ける)
呂布:あっ!?
(貂蝉の額にめり込む赤い石)

(貂蝉、全身を震わせ夜空に向かって咆哮する)
貂蝉:オオオオオォォォォォォ・・・
(貂蝉の額で石が妖しく輝く)
(次の瞬間、木が根元から生えるように貂蝉の腕が瞬く間に再生、更に全身も
一回り巨大化)

(目の前の現象に驚く呂布)
呂布:こ、これはいったい・・・?
(貂蝉は背を見せているが呂布は反射的に戟を構える)

(そこからやや離れた所で倒れている赤兎)
(貂蝉が雄叫びに呼応するように赤兎がムクリと身を起こす)
赤兎:う・・・?
(赤兎は頭を振ってぼやけた意識をはっきりさせる)
(赤兎、頭を貂蝉の方へ向ける。視界には怪物じみた貂蝉の姿が見える)
赤兎:・・・
(無表情に見つめる赤兎。ポツリと呟く)
赤兎:そうか、封印が緩みかかってるのね・・・

(呂布の目の前で李儒の高笑いが響く)
李儒:わはははは!
(李儒は大声で笑いながら貂蝉に近づいていく)
(呂布、李儒に向かって叫ぶ)
呂布:李儒! なにをしたの!
(李儒は呂布に対しニヤリと笑う)
李儒:貂蝉に力の源をくれてやったまでよ! これで貂蝉は無限の力を得た!
   わはははははっ!
(興奮した獣のような息遣いの貂蝉)
貂蝉:フーッ・・・フーッ・・・
(貂蝉の口元から涎が滴り落ちる)

(李儒、更に脚を進め貂蝉の傍らに立つ李儒)
李儒:貂蝉、今こそ真の力を見せよ
(李儒は呂布を指差す)
李儒:まずは呂布を仕留め・・・
(貂蝉はギロリと李儒を見る)

49   投稿者:   投稿日:2003/01/19(日)22時26分11秒

(李儒、貂蝉の異常な様子に気付く)
李儒:どこを見ておる お前の獲物はあそ こ に
(そこまで言って李儒の言葉が途切れる)
李儒:がっ!?
(貂蝉の手が李儒の頭を掴む)
貂蝉:フーッ・・・
李儒:な、何をする! 手を放せ! お前の相手は・・・ぐあっ!
(貂蝉、李儒の言葉をまるで意に介さず李儒を上に持ち上げる)
(李儒の身体が宙に浮く)

呂布:こんなときになかまわれ・・・?
(赤兎の声が呂布のすぐ側で聞こえる)
赤兎:違う そうじゃない
(いつの間にか呂布の傍らに立っている赤兎)
(赤兎はいつもより落ち着いた調子で喋る)
呂布:赤兎ちゃん! もうだいじょうぶなの?
(呂布、赤兎の方を向く)

(赤兎のたてがみがうっすらと赤く光っている)
赤兎:大丈夫 通常の活動なら問題ない
(赤兎、無表情で答える)
呂布:そう・・・?
(首を傾げる呂布)
呂布:赤兎ちゃん・・・だよね?
赤兎:何?
呂布:けはいはおなじだけど、ふんいきがすこしちがうような・・・ってそれ
   どころじゃなかった!
(呂布、貂蝉を見ながら赤兎に問い掛ける)
呂布:ね、あれってなにがおきてるの?
赤兎:力の制御が出来ていない 暴走してるんだ 周囲にある動くもの全てが
   敵と認識されるわね

貂蝉:ガアアァァ・・・
李儒:よ せ
(李儒、身を捩じらせて貂蝉の手を振り解こうとする)
(更に手に力を込める貂蝉)
(メリメリと音を立てて貂蝉の指が万力のように李儒の頭に食い込む)

呂布:いけない! と、とめなきゃ!
(慌てて駆け出そうとする呂布のい前に赤兎が立ちはだかる)
呂布:赤兎ちゃん!? なにするの!
(冷静に呟く赤兎)
赤兎:もう遅い 間に合わない
呂布:そんな だって
赤兎:あれを見なさい

李儒:あがが が が
貂蝉:ガルルルルルルルル・・・・
(貂蝉の手の中からグシャッという音がする)
(李儒の身体は動かなくなり、ダラリと四肢が垂れ下がる)

呂布:や・・・そんな・・・ひどい
(目の前の惨劇に震える呂布)
赤兎:すぐにこちらに襲い掛かってくる 逃げる暇はもうないわ 一騎打ちに
   備えて
(呂布とは対照的にやけに冷静な赤兎)

赤兎:いい? 今は自分の身を護る事を最優先しなさい 私もできるだけ助力
   するわ 今、あなたの受けた傷を治すから
呂布:赤兎ちゃんなにをいって・・・
(赤兎、呂布を制する)
赤兎:動かないで じっとして
(赤兎、目を閉じて何事か念じる)
(赤兎のたてがみの光が先ほどより若干強く光る)
(すると呂布の身体の痛みが急速に和らいでいく)

(驚いて自分の身体を見回す呂布)
呂布:いたみが きえた・・・!
(呂布、赤兎の方を向く)
呂布:こんなこともできるなんて 赤兎ちゃんてすごいんだね
(赤兎、目を開いて貂蝉を見る)
赤兎:ち、力が完全に戻った訳じゃないから い、今はこれが精一杯 すまな
   いわね
呂布:ちから? もどった?
赤兎:封印が緩んだのは 確かなんだけど、今は わ、私の制御下ではないの
呂布:え? え? なにをいっているのかわからな・・・
(呂布の言葉の途中で赤兎の身体がグラリ揺れる)

(呂布、赤兎の身体を両手で支える)
呂布:赤兎ちゃん!?
(赤兎は息が荒く苦しそう)
赤兎:だ、大丈夫 久しぶりに力、使ったから・・・少し感覚が鈍っただけ・
   ・・ そ、それよ り気をつけて 貂蝉はこちらに か、感づいたわ

(貂蝉は李儒の骸を投げ捨てる)
貂蝉:フーッ・・・ フーッ・・・
(貂蝉、ゆっくりと呂布の方に振り返ると興奮した目つきで呂布と赤兎を睨む)

(次の瞬間に呂布の目の前に貂蝉の体躯が黒い塊となって出現する)
(視界全体が貂蝉の姿に覆われる)
(呂布、反射的に赤兎から片手を放し、裏拳で殴りつける)
呂布:えいっ!
貂蝉:ウ!?
(貂蝉、頭から地面に突っ込む)

(すぐに起き上がろうとする貂蝉)
呂布:赤兎ちゃん、ごめんね!
(呂布は赤兎から両手を放し、倒れている貂蝉に向かって走リ出す)
(支えを失い地面にドサリと横たわる赤兎)
赤兎:ほーちゃん 何を・・・

呂布:赤兎ちゃんはうごけないし、ここはあしがじめんはめりこむ この場所
   はたたかうのにむいてない
(呂布は貂蝉の脇をすり抜けるようにして駆け抜ける)
呂布;だから、ばしょをかえる!

(呂布、すれ違いざまに戟で貂蝉の身体を引っ掛ける)
貂蝉:ウッ?
(呂布は戟で貂蝉を引きずりながら走る)
貂蝉:ガッ!? ガガガガガガガガガッ!?
(地面に貂蝉が引きずられた跡が残る)

(赤兎は頭を持ち上げて遠ざかる呂布に出来る限りの大声を出す)
赤兎:あ、赤い石を そいつ、から は、外し て・・・! そいつは・・・
   最初から 知能も感情も、存在しない、それどころか 生き物ですらな
   い に、人形よ!
(赤兎、またヨロヨロとへたり込む)
赤兎:あ・・・う・・・

(呂布、走りながら一回だけ赤兎を振り返り力強く頷いてみせる)
(呂布は前方へ向き直り、貂蝉を引きずったまま更に疾走して行く)

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アイキャッチ
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:赤兎ちゃん、ごめんね!
(呂布は赤兎から両手を放し、倒れている貂蝉に向かって走リ出す)
(支えを失い地面にドサリと横たわる赤兎)
赤兎:ほーちゃん 何を・・・

呂布:赤兎ちゃんはうごけないし、ここはあしがじめんはめりこむ この場所
   はたたかうのにむいてない
(呂布は貂蝉の脇をすり抜けるようにして駆け抜ける)
呂布;だから、ばしょをかえる!

(呂布、すれ違いざまに戟で貂蝉の身体を引っ掛ける)
貂蝉:ウッ?
(呂布は戟で貂蝉を引きずりながら走る)
貂蝉:ガッ!? ガガガガガガガガガッ!?
(地面に貂蝉が引きずられた跡が残る)

(赤兎は頭を持ち上げて遠ざかる呂布に出来る限りの大声を出す)
赤兎:あ、赤い石を そいつ、から は、外し て・・・! そいつは・・・
   最初から 知能も感情も、存在しない、それどころか 生き物ですらな
   い に、人形よ!
(赤兎、またヨロヨロとへたり込む)
赤兎:あ・・・う・・・

(呂布、走りながら一回だけ赤兎を振り返り力強く頷いてみせる)
(呂布は前方へ向き直り、貂蝉を引きずったまま更に疾走して行く)

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アイキャッチ
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