「機動武将まじかる☆呂布リン!」
第4回 『ふしぎなちんきゅうクン(仮)』Bパート
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アイキャッチ明け
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シーン1 裏山(赤兎)
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(赤兎が走る。走りながら時々後ろを振り返る)
赤兎:変ね? 李粛が追って来ない?
(赤兎、急に立ち止まり周囲を警戒)
赤兎:何? 今の感覚は?
(赤兎は首をかしげる)
赤兎:一瞬だけ、凄い知力を感じたような・・・
(赤兎、改めて周囲を見る)
赤兎:李粛を振り切ったにしては早すぎる
(赤兎の顔に冷や汗が伝う)
赤兎:しまった! ほーちゃんが狙われた!
赤兎:いけない!引き返さなきゃ!
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シーン2 裏山(李粛)
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(李粛の前方の茂みが揺れ何者かが奥へと去って行く)
(それを追い李粛は奥へ奥へと入っていく)
李粛:おのれ赤兎馬! 使命を忘れたか!
(李粛が更に奥へと分け入っていくとおもむろに視界が開ける)
(李粛、急に踏みとどまる)
李粛:ぬうっ!?
(李粛の足元は崖だった。地面が途切れている)
(李粛は崖を見ながらつぶやく)
李粛:あと一歩、いや半歩前に出ていたら落ちる所だった・・・・
李粛:赤兎馬め、味な真似を どこへ消え失せた?
(陳宮の声が響く)
陳宮:本当に赤兎馬がこんな事をするとお思いですか?
(李粛、狼狽する)
李粛:何者だ! 姿を現せ!
(李粛は周囲を見渡すが足元に崖、他は木々と茂みばかりで誰もいない))
(陳宮は李粛とは対照的に冷静な調子で言葉を続ける)
陳宮:そのままこちらの言い分を聞いてください
陳宮:「玉璽探索からは手を引け」とあなたの主にお伝えください
(李粛、虚空に向かって叫ぶ)
李粛:そんな要求に俺が従うとでも思ったか!
陳宮:思います なぜなら貴殿をこの崖まで導いたのは私ですから
李粛:なにっ!?
陳宮:あなたをあのまま崖から落とす事は造作もない事・・・
陳宮:しかし、そうすると伝令役がいなくなってしまいますからね
李粛:ハッタリを抜かすな!
陳宮:いいえ、真(まこと)です
陳宮:まさか貴殿こそ本気で赤兎馬がかような真似をするとでも?
(李粛、悔しがるが何も言い返せない))
李粛:くっ・・・!
陳宮:これであなたでは私に勝る事はできない、とご理解頂けたでしょう
李粛:貴様! どこの者だっ!?
陳宮:曹
李粛:な、なにぃ!?
(陳宮の声がフェードアウトしていく)
陳宮:では、確かにお伝え願いますよ・・・
(李粛、しばらくその場で立ちすくむ)
李粛:まさか・・・
(李粛は苦悩の表情を浮かべる)
李粛:いや、だが万が一という事も・・・
李粛:忌々しいが念のためだ 御大将にご報告いたそう
(李粛、林の中へ駆けて行き、いずこかへ姿を消す)
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シーン3 裏山(呂布と陳宮)
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(呂布、走っては立ち止まる。周囲を見て赤兎を捜す)
呂布:こまったなぁ さっきの「李粛」って人、どっちへ行ったのかな
(呂布、気配を読み取ろうと集中する)
呂布:・・・赤兎ちゃん、ちかくにはいないみたいね・・・
呂布:どこに行っちゃったんだろう?
(呂布、歩き出そうとして何かにつまづく)
呂布:あっ
(呂布、転びそうになるのを何とかこらえる)
呂布:ふぅ〜あぶないところだった
(呂布は足元を見てみる。縄のようなものがある)
呂布:ふぇ?
(呂布、縄を持ち上げて、よく観察してみる)
(縄の一方には棒が括られおり、もう一方は木の枝に結ばれている)
呂布:んん? なにこれ?
(呂布が軽く縄を引くと、枝がばねのようにしなった)
(よく見るとあちこちに似たような仕掛けがある)
呂布:誰かのいたずらかしら?
(突如、呂布の前方の薮が揺れる)
(呂布、ポケットの中の戟を握って身構える)
呂布:だ、誰かいるのっ?
(薮の中から陳宮が出て来る)
陳宮:あれ? 呂布さんじゃないですか
呂布:陳宮クン!?
(呂布はポケットから手を抜いて警戒を解く)
呂布:こんなところでどうしたの?
陳宮:それが・・・この山に散歩に来てみたら途中で道に迷ってしまいまして
陳宮:そこで別の道を探そうと林の中へ入ったらますます迷ってしまったのです
呂布:ふーん そうだったの・・・
陳宮:すみませんが、出口を教えて下さいませんか
(呂布、ちょっと考える)
呂布:(赤兎ちゃんとははぐれたままだけど・・・)
呂布:(ここで陳宮クンを一人で帰して「李粛」って人
が出てきたらたいへんかも)
呂布:(わたしは戟があるからもしかしたら何とかなるかもしれないし)
呂布:(赤兎ちゃんはまた後で捜そう)
呂布:いいよ わたしが外までつれていってあげる
陳宮:本当ですか!? 助かります
呂布:じゃ、いこっ
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シーン4 裏山出口
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(林の奥へと続く道がある)
(その奥から呂布と陳宮が並んで歩いてくる)
呂布:さあ、ついた ここがでぐちだよ
陳宮:ありがとうございます ここまで来れば大丈夫です
(もう太陽が傾いて夕方になっている)
呂布:でも、陳宮クンが道にまようなんて意外ね
陳宮:いやあ、僕は結構ドジですから
(二人とも笑いが込み上げてくる)
呂布:うふふっ
陳宮:ははは
呂布:じゃ、陳宮クン 気をつけてね
陳宮:はい ありがとうございました
(呂布、大きく手を振る。陳宮は小さく一度だけ手を振って去っていく)
(呂布、陳宮の姿が見えなくなると裏山に引き返そうとする)
呂布:さて、赤兎ちゃんをさがさないと
(突如、木の陰から赤兎が飛び出す)
赤兎:その必要はないわ
呂布:きゃっ・・・? あ、赤兎ちゃん
(赤兎、安堵の溜め息)
赤兎:ほーちゃん 無事でよかった〜!
呂布:あー、急に出てくるからびっくりした・・・ってそれよりもあの「李粛」って人は?
赤兎:いつの間にかいなくなったみたいで・・・
呂布:えっ
赤兎:ほーちゃんもあれから李粛には会ってないわよね?
呂布:うん、あってないよ あったのは陳宮クンだけで
赤兎:ちんきゅうくん?
呂布:わたしのクラスの転入生なの 道にまよったんだって
呂布:さっきここまで送ってあげたの
赤兎:そう・・・
(赤兎、腕を組んで何やら考える)
呂布:どうかしたの?
赤兎:うん、あたし『ほーちゃんが李粛に追われてるんじゃないか』って思って
赤兎:山の中を捜して回ってる時に、”擬兵の計”の跡を見つけたの
呂布:ぎへいのけい?
赤兎:簡単に言うと誰かが潜んでいるように見せかける作戦なんだけど・・・
(赤兎、首を傾げる)
赤兎:一体、誰がやったのかしら? 李粛?
赤兎:仮にそうだとしたら何の為に?
呂布:うーん・・・わからない・・・
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シーン5 自宅(呂布の部屋)
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(時間は夜)
(カメラは呂布のベッドへ近づいて行く)
呂布:・・・
(ベッドでは呂布が寝息を立てている)
(窓辺に立って外を見ている赤兎)
(空には月と星が出ている)
赤兎:(今日の一件・・・どうもタイミングが良すぎるような気がする)
(赤兎は呂布をチラリと見る)
赤兎:ほーちゃん、気をつけましょうね お互いに
(呂布の寝顔アップ)
(楽しい夢でも見ているのだろうか。笑顔が浮かぶ)
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第4話終了
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