「機動武将まじかる☆呂布リン!」
          第5回 『じんちをつくろう!(仮)』Aパート
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          シーン1 移動中のバス
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          (快晴の道路上空からカメラが観光バスを見下ろす)
          (カメラ、バスの側面へ移動。窓際に呂布が座り、クラスメイト達と一緒に乗っているが見える)

          (呂布のモノローグ。視聴者に向かって語りかける)
          呂布:今日は学校のみんなと写生大会です
          呂布:わたしたちはいま、街外れにある史跡公園にいどう中です
          呂布:いつもの教室のじゅぎょうとちがって外で絵をかくので、とても楽たのしみです
          (モノローグ終了)

          (カメラ車内へ移動)
          (車内で呂布が窓側、生徒A通路側に座っている)
          生徒A:ねぇ ほーちゃん
          呂布:なぁに?
          生徒A:ほーちゃんは何を描くかもう決めた?
          呂布:まだ決めてないの 向こうについてから決めようとおもって
          生徒A:そうなんだ 実は私もまだなの

          (後ろの座席からシート越しに生徒Bが声をかける)
          生徒B:そんな事言って、ほんとはお弁当が楽しみなんでしょ?
          呂布:あはっ じつはその通り

          (また呂布のモノローグ)
          呂布:裏山の事件からもう3週間経ちました
          呂布:その間私は戟の練習をして来ましたが
          呂布:あれ以来、李粛って人もその他の玉璽を狙う人もまだ現れず
          呂布:今のところは普通の毎日です
          呂布:でも赤兎ちゃんは『油断しちゃだめよ』と言ってます
          (モノローグ終了)

          (前方の座席に座っていた教師が生徒に向かって)
          教師:そろそろ着くから降りる準備をしなさい
          呂布と生徒一同:はーい!

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          シーン2 駐車場
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          (数台の観光バスが停車している)
          (バスからは生徒達が降車し、並んで歩いている)
          (並んで歩いている生徒の中に呂布と陳宮の姿がある)

          (呂布、身体を伸ばす)
          呂布:んんーっ やっと着いたーっ
          生徒A:ほら、ほーちゃん 集合場所に行こっ
          (生徒Aは駐車場の端にある公園入り口を指差す)
          (指差す先には陳宮がいる)
          呂布:あれ? 陳宮クンだ

          (陳宮、公園入り口にある施設案内板を見ている)
          (小さく、独り言)
          陳宮:ふむ・・・ もしかしたら使えるかもわかりませんね

          (呂布は陳宮を見ながら)
          呂布:陳宮クン、なにしてるのかな?
          生徒A:さぁ

          (生徒B,C,D畳み掛けるように)
          生徒B:ほーちゃん、そんなに陳宮くんが気になるの?
          生徒C:意識しすぎよー?
          生徒D:いくら班が違うからってもう寂しくなったのかなー?

          (呂布、顔を赤くする)
          呂布:え、そ、そういう事じゃなくて!
          生徒B:『そういう事』って何なのかなー?
          呂布:あう・・・
          生徒A:あんまりほーちゃんをからかっちゃダメよ
          生徒D:うふふ ごめんね
          生徒C:皆、そろそろ行くましょ
          (生徒C、呂布の背中を押して移動を促す)

          (呂布、押されながら横目で案内板の方を見る)
          (しかし陳宮の姿はすでにない)
          呂布:(それにしても、陳宮クンなにやってたのかな)

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          シーン3 公園内広場
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          (生徒達が各クラス毎に集合している)
          (並んでいる生徒達の前に教師が立っている)
          (教師、集合時間や注意事項等を説明)
          教師:・・・という事で早めに描き終えたら時は残り時間は自由時間。
          教師:そして帰りの集合時間にはこの広場にまた集まること。以上。

          (生徒達がバラバラと移動をはじめる)
          生徒C:どこに行こうか
          呂布:うーん・・・
          生徒D:ねぇねぇ あっちの丘に行ってみない?
          生徒B:良いかもしれないわね 見晴らし良さそうだし
          呂布:じゃあ行ってみよう!

          (呂布が足を踏み出そうとした時、呂布が何かに反応する)
          (画面暗転)
          呂布:(はっ!)
          呂布:(いまの感じはなに!?)

          (呂布、辺りを見回して気配の元を探ろうとする)

          (画面、元に戻る)
          生徒D:ほーちゃん、どうかした?
          呂布:え?
          生徒B:急にキョロキョロして何かあったの?
          呂布:な、何でもないよ
          生徒C:そう? それならいいんだけど・・・

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          シーン4 公園内丘の上(その1)
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          (呂布達が丘の上に立っている)
          (丘の上には芝や草が拡がり地面を鮮やかな緑で埋め尽くす)
          (呂布達の他にも生徒がちらほらと来ている)

          (呂布、感慨深げに)
          呂布:わぁー・・・

          (目の前には公園内を一望できるパノラマが広がる)
          (園内には幾つかの古い建物や、池、砂利で舗装された道等がある)
          生徒A:ここからならよく見えるね
          生徒B:なかなかいいんじゃないの?
          呂布:ここにしない?
          生徒C:そうしましょ

          (呂布達は芝の上に座り絵を描き始める)

          (呂布は描き始めようとして、ふと手を止める)
          呂布:(さっきの気配・・・今は感じないなあ)
          呂布:(この公園の中だと思うんだけど・・・)
          (呂布、公園内をざっと見てみる。するとある一角に目が止まる)

          呂布:ね、ね
          生徒A:なに?
          呂布:あれ、なに?

          (呂布は手に持った筆で方角を指す)
          (指した先には四角い枠だけの形をした建造物がある)
          (枠の一辺には切れ目がある)

          生徒A:んー なんだろ
          (呂布と生徒Aのやりとりを聞いていた生徒Dが割って入る)
          生徒D:ああ、あれは城壁の跡よ
          呂布:へぇ?
          生徒D:戦国時代、あそこにお城を作ろうと計画されたことがあったんだって
          生徒D:でもお金が足りなかったり地理的にお城を作るのに向いてなかったりで
          生徒D:結局作られたのは壁だけだったんだって

          (生徒A、感心して)
          生徒A:ふーん 詳しいね

          (生徒D、照れ笑いする)
          生徒D:えへへ・・・実は陳宮くんに教えてもらったの
          呂布:陳宮クンはものしりなのね
          生徒B:これでほーちゃんの中で陳宮くんの株がまたあがったね
          (呂布は顔を真っ赤にする)
          呂布:え、ええ?

          (騒いでいる呂布達を通り過ぎてカメラは城壁跡へズームイン)
          (よく見ると壁の側に誰かがいる)

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          シーン5 公園内城壁跡
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          (陳宮が壁を触ったり叩いたりしている)
          (陳宮、壁沿いに数歩移動し、同じ事を繰り返す)

          陳宮:壁の内側との出入口はあそこの一箇所のみ・・・
          (陳宮、満足そうに頷く)
          陳宮:これなら使えそうです
          陳宮:舞台の準備は出来てますから次は役者を揃えないと・・・

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          シーン6 公園内丘の上(その2)
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          生徒C:みんなどのくらい描けた?
          生徒D:私、終わったわ
          生徒A:私も
          呂布:おわったよっ
          生徒B:私も今ちょうど今終わり

          (生徒C、腕時計を見る)
          生徒C:ね、そろそろお昼にしない?
          生徒B:賛成!

          (呂布達は車座に座って弁当を広げようとしている)
          (呂布、幸せそうにニコニコしながら弁当箱の蓋を開けようとする)

          呂布:うふふっ お外で食べるのっていいよね
          生徒A:そうね・・・あら?

          (陳宮は探し物でもあるようにキョロキョロと周囲を見ながら歩いてくる)
          生徒B:あっ 陳宮くんだ
          呂布:ほんとだ 陳宮クーン!
          (呂布、大きく手を振る。陳宮、呼ばれて呂布を見る)
          陳宮:あっ 呂布さん

          (陳宮、呂布の方へ歩いてくる)
          陳宮:皆さんはここで昼食ですか?
          生徒C:そうよ ここって結構見晴らしがいいわよ
          陳宮:それはよかったですね
          呂布:あの、陳宮クンはなにをしてるの?
          陳宮:実は、班の皆とはぐれてしまったんですよ 皆さん見かけませんでしたか?
          生徒B:う〜ん この辺りじゃ見てないけど・・・
          陳宮:そうですか・・・
          (陳宮、困った表情をする)
          陳宮:さて、どうしたものでしょうか・・・
          生徒D:陳宮くん、お昼食べた?
          陳宮:いえ、それがまだなんですよ 班の皆と食べようと思ってたんですが

          呂布(そうだ!陳宮クンをさそってみようかな)
          (呂布、他の生徒と話している陳宮の横顔を見る。呂布の顔が途端に赤くなる)

          呂布:(や、やだ さっきみんながへんなこと言うからドキドキしてきちゃった)
          (呂布は自分の気持ちをとりあえず友達のせいにする。顔を赤くして胸を押さえる)

          呂布(こ、このままじゃ ダメ! 落ち着こう!)
          (呂布、覚悟を決めるため一回小さく深呼吸)
          呂布(よしっ)

          呂布:あ、あのさっ 陳宮クンっ!
          陳宮:はい?
          呂布:も、もし よかったら わたしたちと
          陳宮:え?
          呂布:おべんとうを

          (生徒A、小声で呂布にささやく)
          生徒A:ほーちゃん、がんばれっ

          呂布:いっしょに たべない?
          呂布:あの べつに いやだったら いいのっ
          (陳宮、顔に涼しげな笑みを浮かべる)
          陳宮:はい ご一緒させていただきます
          呂布:・・・え?
          陳宮:そこに座らせてもらっていいですか?
          生徒A:どーぞ どーぞ!


          (陳宮は呂布のとなりに座る)
          陳宮:お隣、失礼しますね
          呂布:とと、とんでもない!
          生徒B:むしろ大喜びって感じ

          (生徒C、調子を合わせて頷く)
          生徒C:そうそう
          (その瞬間、陳宮は身体を硬くする)
          陳宮:!

          (呂布、不思議そうにそれを見る)
          呂布:陳宮クン・・・どうかしたの?
          陳宮:いえ、何でもありません

          生徒D:それじゃあ食べましょっ
          (各自、弁当を食べ始める。呂布達がお互いのおかずを交換しつつ食べている)
          生徒A:ほーちゃんのおべんとう奇麗ね
          呂布:そう?ありがと じつはわたしがじぶんで作ったの
          生徒B:へー ほーちゃんお料理できるんだ
          呂布:むずかしいのはまだだけど、かんたんなものなら
          生徒C:じゃあさ おかずの交換しない?
          生徒D:いいわね そうしましょ

          (陳宮が弁当を取り出す。コンパクトな飾り気の全くない弁当)
          (弁当というよりは携帯食料)
          生徒B:へぇー 陳宮くんのお弁当って面白いね
          陳宮:そうですか?
          呂布:あの、わたしのおかずすこし食べる?
          生徒C:陳宮くん、食べてあげて ほーちゃん喜ぶから

          呂布:あうぅ・・・
          (呂布、真っ赤になって俯いて黙る)

          (陳宮、微笑)
          陳宮:では、せっかくですから頂きます
          呂布:う、うん すきなの食べていいから

          (陳宮、おかずを一つつまんで口へ運ぶ)
          陳宮:とてもおいしいです
          呂布:あ、ありがと・・・えへっ

          生徒A:ところで陳宮くん、どの辺りで班の人とはぐれたの?
          (陳宮は城壁跡を指差す)
          陳宮:あの辺りです 絵を描き終えて歩いていたらいつの間にか・・・
          生徒D:そうなんだ
          呂布:ねぇ、みんな お昼食べおわったら、陳宮クンの班の人をさがしに行かない?
          生徒A:いいわよ
          生徒D:どこから捜そうか?
          生徒C:うーん、城壁跡からもう一度見てみない?
          呂布:そうね
          陳宮:皆さん、ありがとうございます

          陳宮:(予定通りですね・・・)

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